帰ってきたらD×Dだった件
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悪魔と邂逅します
イッセーside
うう、どうしよう。カバンを落とした。
多分昨日レイナーレと戦ったときだ。そういえばあの時邪魔にならないようカバンを置いた記憶がある。
今日一で公園見に行ったけどなにもなかった。
強いて言うなら立ち入り禁止のテープが貼ってあったくらいか。ミッテルトが派手にぶち壊したからな~。
交番は空いてる時間ではなかったので今日はカバンを持たずに学校に行った。放課後聞いてみるか…。
ガラガラ
ん?なんだ?
カバンについてを考えていると教室のドアが開く。
「お取り込み中失礼。兵藤一誠くんはいるかな?」
出たなイケメン悪魔。
学校内でもモテにモテまくっている金髪イケメン・木場祐斗が俺の前に現れた。
「俺がイッセーだ。何の用だ木場。」
元浜と松田が敵意剥き出しの目で木場を睨むなか、俺は努めて冷静に対処することにした。
まあ、見た目はともかく精神年齢は大人だしこの程度のことじゃ怒らないのである。ベニマルさんやソウエイさんはそれ以上にモテてたし…。
まあ、それはそれとしてめっちゃムカつくが。
「リアス先輩が君にようがあるらしいんだ。なんでもカバンを拾ったとか。」
おうマジか。
そういえばレイナーレが逃げたあと、誰かが近づいてくる気配がしたから俺たちも逃げたんだがもしかしてそれがグレモリー先輩だったのかも。
俺はカバンを返してもらうため、オカルト研究部に行くことにした。
なお、オカルト研究部に向かう道中木場×兵藤だのなんだの不吉な言葉が聞こえたことは割愛しておこう。
考えるだけで怖気がするわ!
しばらく歩くと俺たちは駒王学園の旧校舎にやってきた。
「へー。オカルト研究部って旧校舎にあるんだ。」
「うん、そうだよ。こっちに着いてきて。」
老朽化の進んでいるのか歩くとギシギシと音がする廊下を進み、俺たちはオカルト研究部と書いてある部屋の前まで来た。
「部長連れてきました。」
「入ってちょうだい。」
お、グレモリー先輩の声だ。
なんやかんやでここに来るのは楽しみにしてたんだよな…。
グレモリー先輩に姫島先輩、一年生の小猫ちゃんなど綺麗所の集まっている部活として有名だからなオカルト研究部は…。
よし、ここはキリッと気を引き締めて中に入ろう。
そう思い戸を空けると…
「あ、イッセーも呼ばれたんすね。」
何故かミッテルトが中に入っていた…ってはぁ!?
*******
「で、なんでミッテルトまでここにいるんだ?」
「いや──、どうやらあの場でうちも生徒手帳を落としてたみたいで…。」
少し動転したが気を取り直して質問するとミッテルトもあの場で落とし物をしたらしい。まあ、あんだけ派手に着地してれば何かしら落としても不思議ではないか。
「しかし改めて見ると…。」
結構陰湿な部屋だな。床や黒板になぞの魔方陣、至るところに飾られたろうそく。
なるほどオカルト研究部なだけのことはある。
見た感じ転移型の魔方陣が多そうだけど、見たことない術式なんかもあるな。
ん、あれは…駒王学園のマスコット、塔城小猫ちゃんか。
ちっこくて可愛いな。
「ども、こんにちは。」
こういうのは最初が肝心。俺は明るく挨拶をする。
「どうも…。」
すると小猫ちゃんは取られるとでも思ったのか食べていた羊羮を隠すような動作を取る。
取らないよ…。
シャワ────
ん?シャワーの音?
音の方を除くとそこには何故かバスタブが置いてある。
部室に何故バスタブが……って!!??
あのシルエット…間違いない!
どうやら二大お姉さまの一人であるグレモリー先輩が入浴中のようだ。
つまり、あの布の向こう側にはグレモリー先輩の美しいであろうおっぱいが…。
「イッセー?」
うっ!?
いえ、なんでもありません。ミッテルトの一睨みで俺は邪な考えを捨てる。
何でだろう。強さは俺のが上なのに全然勝てる気がしねえ…。
「…いやらしい顔。」
ぐふっ!?
小猫ちゃんの何気ない一言で俺の心が折れかける。
聖人に覚醒し、精神生命体に至った俺の心に傷を付けるとは流石は悪魔だ。やるじゃないか。
『相棒の自業自得に見えたがな…。』
言うなドライグよ。
それにしても…。
「?なんですか?」
「いや、なんでも…。」
小猫ちゃんって誰かに似てるんだよな…。
まあ、多分気のせいだろう。
知り合いにロリっ子体型の人もいたからそう思ったのかな?
そうこうしているうちに風呂から上がり、着替えも終えたグレモリー先輩が俺に向かい合う形で椅子に座る。
「待たせたわね。」
「いえいえ、お構い無く。」
こういう時は向こうの事情を尊重する方がいい。
姫島先輩の淹れてくれたお茶を飲みながら俺はそう答えた。
「さて、全員揃ったわね。
オカルト研究部はあなた達を歓迎するわ。」
そう言いながらグレモリー先輩もまた席に着く。
そして俺のカバンとミッテルトの生徒手帳をテーブルの上に置いた。
よかった。本当にあった。
「これ、あなた達のものでしょ?」
「そうです。ありがとうございます。」
「あっざーす。先輩方。」
俺は早速カバンを手にかけようとするとグレモリー先輩に遮られる。
何やら疑念のこもった目で俺たちを見ている。
「返す前に、一つ聞きたいの…。
昨日公園で堕天使と戦ったのはあなた達で間違いないかしら?」
やっぱりそれが目的か…。
そもそもミッテルトが派手に落下したせいであれだけ大きな破壊跡が残っちまったわけだしそこに俺たちの持ち物があるとなれば行き着くのは簡単だろう。
すなわち俺たちが堕天使を撃退したという事実に…。
ミッテルトのことをジト目で見つめると彼女もまた気まずそうに視線を反らした。
まあ、ここは角がたたないように正直に言うか。
「ええ、確かに昨日の堕天使は俺とミッテルトが撃退しました。でも、それとグレモリー先輩にどんな関係があるんですか?」
するとグレモリー先輩は誇らしげに漆黒の羽を背から出す。
「まずは私達のことを言っておく必要があるわね。実は私達は全員悪魔なのよ。」
「あ、はい。」
「あら?驚くと思っていたのに…。」
「まあ、最初から知ってましたし…。」
俺からすれば既に知っていることだし軽く流す。
驚くと思っていたのかグレモリー先輩は少し不満げだ。
「私たちのことを知ってるってことは、裏と関わりがあるのかしら?」
「関わりとかはあまりないですけど、俺の神器に封じられてるドラゴンとミッテルトがある程度なら教えてくれたので…。」
「!あなた、神器を持っているの?それに、封じられたドラゴンってどういうこと!?」
俺の言葉に対し、訝しげな表情で訪ねる。
別にいいかな?ドライグ?
『俺に聞くな。お前が決めろ。』
ドライグからすればどちらでもいいっぽいな…。ドライグの許可ももらったことだしまあいいか。
俺は腕に“赤龍帝の籠手”を出す。
「これが俺の神器、“赤龍帝の籠手”です。」
「“赤龍帝の籠手”!?神をも滅する“神滅具”の一つ…。
こんな近くに所有者がいたなんて…。」
なんか思った以上に驚いているな。
神器を持っていることがそこまで驚くことなのか?
『相棒は俺以外の神器を見たことないからわからないかもしれないが、“神滅具”というのは本来この世界に13しか存在しない、極めれば神や魔王すらも倒せるといわれる最上位の神器なんだぞ。』
神や魔王すらも倒せる?
いや、それは…どうだろう…?この世界の神や魔王は知らないけど、あっちの世界では八星魔王には及ばないだろう。ドライグも確かに他の神話級の武器と比べても遜色ないどころか大抵の武器を上回ってさえいる。
力を倍加する力に譲渡する力、“赤龍帝の鎧”やリムルやヴェルドラ師匠の助けと俺自身究極に目覚め、精神的に強くなり、歴代の赤龍帝とも和解したことでなんとか使えるようになった新たなる覇龍の形態だってある。
鎧となったり譲渡したりやらは他の神話級の武器にもない性能だし、事実ギィさんもドライグのことを認め、わざわざ覇龍の新たな形態にギィさん自らが《《命名》》してくれたくらいだもの。
でも、存在値という点でいえばギィさんの“世界やミリムさんの“天魔”。マサユキ…ていうかルドラの“地神”なんかの方がドライグよりもでかかったし…。“ヴェルドラソード”なんか絶対に勝てないと思う。
ましてや、魔王勢に勝てるかといわれると微妙といわざるを得ない。
進化した覇龍を使えばルミナスさんやレオンさんならばそこそこはいい勝負できるとは思うけど、天魔大戦を経てあの二人もパワーアップしてるようだったし、勝てるとは言い切れない。そもそもあの形態負担がでかすぎて今の俺じゃもって数分しか持続できないし。
それじゃあ魔王…ましてや、リムル、ミリムさん、ギィさんには絶対に勝てないと断言しよう。
武器性能だけで勝てるほど魔王は甘くないのである。
『いや、事実だが言い方というのがあるだろう…。結構傷つくぞ…。』
悪い悪い。まあでも、あくまで数値の上の比較をしただけでドライグは俺にとって最高の相棒なんだから、あんま気にするなって。
「?どうしたの?」
「あ、なんでもありません。」
おっといけない話がそれた。
「まあいいわ。それで次はミッテルトさんね。あなたも神器を持っているのかしら。」
グレモリー先輩の言葉にオカルト研究部の視線がミッテルトの方へ向く。
ミッテルトは少し気まずそうな表情をしながら頬をかく。
「あー、えーと、この状況のなかひじょーに言いにくいんすけど…。」
俺が話したのを見てミッテルトも正直に話した方がいいと思ったのか、黒い鳥のような羽を二枚出し、気まずそうに呟く。
「実は…うち堕天使なんすよね…。」
「な!!?」
そのミッテルトの言葉を聞いたグレモリー先輩達は全員臨戦態勢に入り、ミッテルトに向かい合う。
正直言ってミッテルトからすれば物の数ではないのだが、念のため俺も彼女を守るように立ちふさがる。
「あ、いやまあ警戒するのも仕方ないっすけど、うちは昨日の堕天使とは本当に無関係っす。そもそもうちは神の子を見張る者に所属してない、言うなればはぐれの堕天使なんで…。」
「はぐれの堕天使…?それを信じろっていうの?そもそも、貴女は何が目的でこの学園に入学したの?」
グレモリー先輩はミッテルトのことを訝しげに見つめる。相当警戒しているようだ。
堕天使と悪魔は敵同士らしいし警戒するのは当然かもしれないけど。
「はい。うちはイッセーの恋人としてこの学校に入学したんす。
強いて言うならばイッセーと一緒にいることが目的すかね。
もしイッセーを傷つけるというのなら、悪魔だろうが同族だろうが、うちは容赦しないっすよ。」
ミッテルトはあくまで自分は俺の味方であるということをつげ、堕天使陣営とは関係ないことをアピールする。
しばらく視線が交錯するが、それを聞いてグレモリー先輩も信じたのか警戒を解く。
「そう。わかったわ。信じてあげる。」
「あっざーす。」
グレモリー先輩の言葉にミッテルトは笑顔で答える。
なるほど、この人たち結構信用できそうだな…。
「さてと、では本題といきましょう。」
本題?堕天使の件だけじゃないのか?
「あなた良かったら私の眷属になってみないかしら?」
眷属?
俺とミッテルトは顔を見合わせる。
ドライグからもそんな話しは聞いたことないんだが…。
「?貴女堕天使なのに眷属悪魔を知らないの?」
「アハハ…。お恥ずかしながら…。」
まあ、ミッテルトがファルムスに召喚されたのは本当に小さいときだったらしいしこの世界の事情に詳しくないのは仕方ないかもしれない。
グレモリー先輩はため息をつけつつも説明をしてくれた。
「眷属になるというのはこのチェスの駒…、“悪魔の駒”を使って悪魔に転生することよ。私の下僕としてね。」
曰く、悪魔は出生率が低く純粋な悪魔は絶滅寸前なのだそう。そんな問題を解決するために作られたのが他種族を悪魔に転生させる“悪魔の駒”なのだと…。
この中で純粋な悪魔はグレモリー先輩だけで他の皆は転生悪魔に分類されるらしい。
「どうかしら?」
「うーん…。」
正直言ってメリットが少ないように思える…。
悪魔になれば一万年の寿命を持ち、全世界の言語を理解できるようになると言われたけど、聖人に覚醒している俺は殺されなければほぼ不死みたいなものだし、言語も魔法で普通に理解できる。
デメリットの方がでかい気がするぞ…。日光を含む光、聖書、聖水、十字架などの聖なるモノが弱点となり、神社や教会に行くだけで頭痛がするようになるらしい。
弱点が増えるとそれだけ戦闘面が不利になる。
それを知ってるがゆえにこの誘いにはあまりそそられない。
「…ごめんなさい。今はまだ人間のままでいることにします。」
「…貴女は?ミッテルトさん?」
「イッセーがなるって言うならなってもいいすけど…、ならないって言ってることですし、うちも遠慮しておくっす。」
「……そう、わかった。残念だけど諦めるわ。」
すんなり引いてくれたな…。もう少し粘るかな?と思ったんだけど…。
「あまり守られてはないけど一応悪魔内では無理矢理転生させたりするのは禁じられているし、人生がかかった決断だもの。断られても仕方ないと思うわ。」
その言葉を聞いて俺はグレモリー先輩への信用を強めた。
無理矢理迫るのではなくこちらの都合もきちんと考えてくれるし話も通じる。
なんていうか、同じ悪魔でもディアブロさんとは大違いだな…。
気付くと現在時刻は7時を過ぎている。
さて、そろそろ時間も遅いし帰るかな…。
「ありがとうございます。じゃあ、俺達はこれで…。」
「あ、ちょっと待って兵藤くん、ミッテルトさんも…。」
ん?立ち上がろうとする俺とミッテルトをグレモリー先輩が制す。まだ何か話があるんだろうか…?
「あなた達、よかったらオカルト研究部に入部してみない?悪魔とかそういう事情抜きにして…。」
な、なんだって!?
それはぶっちゃけそそられるな…!
二大お姉さまと呼ばれ、豊満なおっぱいを持つグレモリー先輩と姫島先輩、小さくて可愛い学園のマスコット、小猫ちゃん。美人美女の集まりであるオカルト研究部はお近づきになりたかったぐらいだし、入れるとなるとめちゃくちゃ嬉しいな…。
「イッセー…。いやらしいこと考えてるでしょ…。」
くっ、相変わらず鋭いなミッテルト。
だが、止められようとこの誘いは断るわけにはいかない!
「別に止めないっすよ…。イッセーがそういう男だってうちは知ってるし…。」
な!?心を読まれた!?
ミッテルトのやつ、思考読破系のスキル持ってたっけ?
「イッセーはどうやら入りたいようっすし、うちも入らせてもらうっす。」
「あら、ほんとう?」
ミッテルトに先に言われてしまったが、ここはやっぱり俺自身の口で言わないと…。
「はい。よろしくお願いします。グレモリー先輩!」
「リアスでいいわよ。部内では部長と読んでね。
あ、そうそう。私も貴方のこと、イッセーって読んでいいかしら?」
「はい!もちろん!」
「フフ、よろしくね。イッセー。」
こうして俺はオカルト研究部に入部することになった。
余談だが、オカルト研究部に入部してウキウキ気分で帰ると連絡もせず遅くなったことを親に怒られ、俺は一日を終えたのだった…。
後書き
ドライグの存在値は封印される前の全盛期で約300~500万くらいの感覚にしてます。
神祖の使っていた神祖の血槍が存在値1000万だからヴェルダナーヴァにもらった“天魔”、“地神”、“虚空”は1000万超えてそう。“世界も多分ヴェルダナーヴァ産でしょう。
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