十六匹の猫達
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第二章
「殆どの子は懐いてないな」
「そうね、去勢や不妊の手術もしてないし」
「素っ気ない部屋でまとめて暮らしてるだけで」
「そうしたところを何とかしてあげましょう」
夫婦でこのことを確かめてだった。
去勢や不妊の手術を受けさせて毎日しっかりとご飯をあげて彼等がいた部屋どころか家全体を猫の暮らしやすい様におもちゃやキャットタワー等を置くとだった。
そうして毎日声をかけてジョンと一緒に接していると。
次第に家族に懐いていった、そこにもう一匹トフィーと名付けられた茶色の雄猫も来た、そしてだった。
夫婦は彼等の名前も付けた。
「雄は八匹だけれどな」
「ランディ、ジョー、マイク、ミッキー、ディック、トニー、マイク、マイケルにしてね」
「七匹の雌はな」
「マリー、ローズ、メアリー、キャシー、エミリー、アン、ミニーね」
「そう名付けたし」
「名前も付けたなら」
それならというのだ。
「余計に親しみが持てるな」
「そうね、前の飼い主の人も名前を付けてたと思うけれど」
「それでもな」
「私達はそのことはわからないから」
「名前を付けたし」
「それじゃあな」
「その名前でいきましょう」
自分達が名付けたそれでというのだ、こう話してだった。
夫婦で一匹の犬とだった。
十六匹の猫達との暮らしを満喫した、二人が仕事に帰るとだった。
「ワンワン」
「ニャア」
ジョンだけでなくだ。
十六匹の猫達がいつも玄関まで迎えてくれる様になった、それで夫は妻に対してさらに言うのだった。
「出迎えてくれるとな」
「もうそれでよね」
「本当に家族になったって感じがするな」
「そうよね」
「最初は馴染んでくれなかったが」
「今ではね」
まさにというのだ。
「家族になったわね」
「そうだな、じゃあこれからもな」
「ずっとね」
「仲良く楽しくな」
「暮らしていきましょう」
家の中で夕食を摂りながら話した、その周りにもだった。
犬がいて猫達がいた、どの猫達もキャットフードを食べてだった。
喉を鳴らして遊んで楽しそうにしていた、犬はそんな彼等と遊んでいる。夫婦はそんな家族を見て美味しいものを食べつつ笑顔で話した。
十六匹の猫達 完
2022・4・27
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