私はいじわる 小悪魔が住みついた
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9-⑹
10月の末、男子チームとの試合があって、私達のチームが4対3で勝った。オーカがホームラン、鈴花もランニングホームランと活躍したのだ。私達は、歓声をあげていたんだけど、男子チームはなんだか、バラバラになっていて、試合中もエラーが多くって・・。
穣先輩が男子チームを集めて檄を飛ばしていたが、彼等には、当面の目標もないのだから、活気がともかくも無かった。
私達は、11月は初めの対外試合に向けて、燃えていた。今度こそ、全員が勝つつもりだった。練習のグラウンドも女子部が主体で動いていた。
その日、末永先生が「オーカ 投げて見ろ 鈴花受けろ 真珠バッター」と、言ってきた。私は、えー と、バッターボックスに立った。
そして・・当てていっても、セカンドフライとかピッチャーフライばっかりで
「わかった 今度は、美智佳 バッター」と、交代させられたが、やっぱり、セカンドフライ、ファーストのファールフライ、ファーストゴロだった。
「よーし 今度は香澄 低めに投げ込んでいけよ 外野に飛ばすさな!」と、香澄さんに・・。
男子チームが覇気がないせいか、女子チームを中心に鍛えられた。特に、柚子葉は連日集中して、ノックを受けていた。
「いいか 守備は内野ゴロを打たせるんだ。香澄は低めを徹底してな。鈴花は内角をスピードボールで、そして、間にオーカを挟む」と、試合当日、末永監督は言って居た。
電車で 1時間半かけて、相手の練習グラウンドにやってきた。そして、鈴花ちの車で道具を運んでもらって、私のお父さんとお母さんも、一緒に来ていたのだ。
試合は5回まで、お互いぽちぽちランナーは出るけど、後が続かずに6回表、先頭の私は、センター前に抜けるヒットで出た。そして、例のように鈴花が3球目に合図を送ってきた。私は、走った。いい音とともに私の後ろの方に飛んでいくのが解った。そして、オーカもそれに、続いて、鈴花はホームまで帰ってきたのだ。2点先制。その裏、途中でピッチャーが鈴花に変わって、全て、私へのゴロで、7回裏。1アウト2塁の時、オーカがピッチャー、鈴花がキャッチャーに代わって、ファーストフライ、そして、最後の打者はセカンドフライ。私達は勝ったのだ。
「よーし やったな 君達は よくぞ ここまで成長した えらいぞ」と、末永監督も満足そうだった。
家に帰ると、その夕食に、ステーキと山盛りの苺サラダが・・。
「ワァーオ ウチの大好物」
「真珠 恰好良かったよー 真珠の好きなもの ご褒美」と、お母さんが・・。
「私 慎也から聞いてはいたんだけど 信じてなかったのよ でも、今日、真珠が走りまわってボールを捕ってるの見て 感動しちゃった。だって ほとんど 真珠が動いてたじゃぁない いつも、ドロだらけになっているのが、わかったわ」
「そんなことないよ 柚子葉も頑張ってたよ まぁ ウチ等 最強の三遊間なんだー」
「真珠 甲子園も近いか?」と、お父さん、ビール飲みながら
「お父さん 女子は甲子園ないよー でも、来年は全国大会にいくからね 先生を連れて行くって約束したから クラブ作る時」
「お母さんも 何なんだよー 試合見に行くの渋ってたくせに」と、お兄ちゃんが
「だってさー 怖いじゃぁない 真珠が怪我したらどうしょうとか 見てられないかもしれないじゃぁない」
「その結果が これなんだ ウチ お金無いんじゃぁないのー」
「慎也 これっくらいは 大丈夫よ 特別な日だもの」
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