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レーヴァティン

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第二百四十五話 函館入りその七

「このままな」
「戦は最後の最後ぜよ」
 笑ってだ、当季は話した。
「ほんまにのう」
「その通りだな」
「話をして利を見せてぜよ」
「こちらに入ればな」
「それでいいぜよ」
 それでというのだ。
「まっことのう」
「俺の考えがそれだ」
「そうじゃな」
「それでどうしてもとなるとな」
「戦じゃな」
「それだ」
 最後の解決方法としてというのだ。
「それになる」
「そうじゃのう」
「戦は最後の最後でもな」
「そうしないと駄目な時はぜよ」
「行う、しかし本当にな」
「戦わずしてぜよ」
「降すのが最善だ」
「まっことのう」
「だからな」
「アイヌの諸部族がどんどん加わっちょる」
「それはいい流れだ」
 まさにというのだ。
「まさにな」
「そうぜよ」
「このまま勢力を拡大してだ」
「蝦夷統一ぜよ」
「そうしていく」
 こう言ってだった。
 英雄は函館に入るお時を待ちつつだった。
 アイヌの諸部族の掌握を進めていった、その中で降るには条件があるというアイヌの部族も出て来たが。
 彼等の多くはだ、こう言った。
「獣や魔物をだな」
「やっつけたらぜよ」
 当季は青森で英雄に話した。
「是非ぜよ」
「幕府に入りたいか」
「そう言う部族が多いぜよ」
「条件付きで降るという部族はだな」
「蝦夷は自然豊かぜよ」 
 当季は蝦夷のこのことも話した。
「だからぜよ」
「それで獣や魔物も多いな」
「あと山が深いきに」
 それでというのだ。
「山賊もぜよ」
「いるな」
「だからぜよ」
 それ故にというのだ。
「そうした連中を成敗してくれるなら」
「幕府に入るか」
「そう言ってるぜよ」
「ならだ」
 英雄はそこまで聞いて即座に述べた。
「幕府としてだ」
「兵を送ってじゃな」
「山賊も獣も魔物もだ」
「退治してじゃな」
「その願いを適えてな」
 そうしてというのだ。 
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