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レーヴァティン

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第二百四十五話 函館入りその六

「やはりな」
「共存ね」
「それがいい、まして俺は宗教でだ」
 それでというのだ。
「攻めたりしないしな」
「それな、キリスト教やとな」
 耕平が嫌そうな顔で述べて来た。
「やっぱりな」
「それを口実にするなりでな」
「中にはガチでな」
「異教徒や異端と言ってだ」
「攻めていったな」
「そして改宗しないならだ」
 キリスト教、それにだ。これは十字軍でも大航海時代以降の植民地でも同じことであった。特にカトリックではだ。
「皆殺しだったな」
「文字通りのな」
「それも残虐にな」
「極悪人を成敗してな」
 耕平は難しい顔のままさらに述べた。
「それでや」
「残虐に処刑するならいい」
「それやとな」
「だが信仰が違うだけでだ」
「そうすることはやな」
「外道の振る舞いだ」
 英雄は強い声で言い切った。
「それこそな」
「それがし達から見るとな」
「そうだからな」
「絶対にせんな」
「神仏を敬えだ」 
 英雄はこの言葉をここで出した。
「まさにな」
「神様も仏様もな」
「両方だ」 
 まさにというのだ。
「信じてだ」
「それでやな」
「敬いな」
「他の教えを攻撃せんな」
「それがいい、この世界では耶蘇教も穏やかだ」
「他の教え認めてるわ」
「ヤハウェを信じているが」 
 この神をというのだ。
「それと共にだ」
「他の教えも認めてる」
「ならいい、他の教えを認めない教えこそだ」
 まさにというのだ。
「危うい」
「そやな」
「そうした教えで特にだ」 
 英雄は剣呑な声で述べた。
「教祖なりが私利私欲に走っているとな」
「邪教やな」
「邪教こそだ」
「幕府は取り締まるな」
「そうする、だからな」
 それ故にというのだ。
「アイヌの教えもだ」
「認めてな」
「共存もだ」
 これもというのだ。
「進めていく」
「そうしてくな」
「そうして蝦夷も豊かにする」
 アイヌ達と共存もしてというのだ。 
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