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イベリス

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第四十七話 思わせぶりな態度その六

「神に逆らう愚か者と答えたならです」
「それって日本人だと違うんじゃってなりますよね」
「私もそう考えます」
「そうですよね」
「ですがこれが正解なのです」 
 悪魔とは神に逆らう者達でありだからこそ悪魔は悪となるというのだ。
「神が問答無用で絶対の正義である」
「その考えがないとですね」
「この論理は成り立ちません」
「悪魔って悪いのかどうか」
「日本人から見るとわからないですね」
「はい、色々な漫画やゲームで悪魔見ましたけれど」 
 それでもとだ、咲は答えた。
「戒律とかが違うだけで」
「特に悪とはですね」
「思わないです、人間で屑みたいな外道が出たら」
 こうしたキャラも創作ではよく出る、吐き気を催す邪悪や最もドス黒い悪と言われる者達がそれである。
「悪魔よりもです」
「邪悪に思えますね」
「私としては」
「そうです、悪魔は彼等の倫理観には従います」
「天使と同じですよね」
「天使と同じだけ厳格にです」
 それだけというのだ。
「自分達の倫理観には従います」
「そうですよね」
「また鬼もです」
「怖くないですか」
「童話や伝承の鬼は怨霊より遥かに弱いです」
「酒呑童子でもですね」
「退治されています」 
 源頼光をはじめとした強い者達によってだ。
「そうなっています」
「そのことを見るとですか」
「怨霊よりもです」
「弱いですか」
「鬼以外の妖怪も。国を揺らがすことなぞ」
 そうしたことはというと。
「鬼にも妖怪にも出来ません」
「怨霊と違って」
「我が国の歴史は度々怨霊を恐れて行動を取っています」
「平安京の遷都とか神社建てたりですね」
「明治帝も維新で真っ先に怨霊の調伏を行われました」
「それは徹底していますね」
「そして泰邦も然りなのです」
「怨霊になってしまうものなんですね」
 咲は真剣な顔で応えた。
「貶めたりしますと」
「そうです、ですから彼等は今あの有様です」
「どんどん落ちぶれていっているんですね」
「そしてそれを喜ばれています」
 まさに即座に潰れろとだ。
「そうなっているのは何故か」
「悪事の結果ですか」
「そうです、そこに靖国の英霊が怨霊となっていたなら」
「それは、ですか」
「自業自得であり」
 そしてというのだ。
「当然の結果としてです」
「祟られてですか」
「あの様になっているのでしょう」
「私利私欲で日本を護る人達を貶めたから」
「そうです、まあそうでなくともあの新聞社は浅ましい悪事を重ね過ぎました」
 これが全て私利私欲からなっているのなら最早それは悪と言うべきであろう、吐き気を催す邪悪であると。
「報いを受けたんですね」
「私はそう考えています、あまりにも愚かです」
 速水はこうも言った。
「私利私欲、報道を忘れてです」
「自分達の敵を攻撃しようと思ってですか」
「問題を引き起こし」 
 そうしてというのだ。 
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