イベリス
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第四十七話 思わせぶりな態度その四
「怨霊にもです」
「なるんですね」
「はい」
まさにという返事だった。
「そうなのです」
「ネットである新聞社が政府を攻撃する為に利用したとか」
「問題を無理にこじつけてですね」
「言われていますけれど」
「あれこそまさにです」
速水はその右目に嫌悪を込めて述べた。
「天に唾する行いです」
「実際にその言葉があてはまるんですね」
「そうです、自分達を守護してくれる存在を貶める」
そうした行為はというのだ。
「愚の極みです」
「何か戦争責任とか政教分離とか」
「それまで言われなかったことを急に言ったのです」
「急にですか」
「そうです、ある新聞社が言い出すまでは」
まさにそれまではというのだ。
「誰も何も言っていなかったことがです」
「その新聞社が言い出したんですね」
「これは自分の敵を攻撃する為にです」
それが与党であり保守派であり政府であったという、反権力を掲げている存在もそうした行動を取るということであり悪事は権力側が行うものとは限らないのだ。
「理屈をこねてもっともらしくです」
「言い出したんですか」
「言い掛かりは幾らでも言えるものです」
速水は咲にこうも話した。
「言おうと思えば」
「幾らでもですか」
「こじつければいいのですから」
「戦争責任とかですか」
「政教分離、政治の宗教への介入等」
「幾らでもなんですね」
「理由は言えます、そのうえで」
ある新聞社の強引な論理によってというのだ。
「靖国神社の問題は起こりましたが」
「あれは危ないんですね」
「非常に、霊魂なのですから」
あの社で祀られているものはというのだ。
「それが神となったものです」
「その神様をですか」
「数多くの英霊の方々を」
「その人達を貶めたら」
「怒るでしょう」
貶められた彼等はというのだ。
「そしてです」
「怨霊になりますか」
「祟られます」
結果としてそうなるというのだ。
「今その新聞社と関係者は急激に勢力を落とし発行部数も激減だそうですが」
「祟りでしょうか」
「あの新聞社は数多くの悪事を為してきたので」
その為にというのだ。
「その報いが来たのでしょうが」
「自業自得ですか」
「因果応報であり」
「そうなんですね」
「しかしそこに怨霊もです」
英霊がなったそれにというのだ。
「祟られていることもです」
「有り得ますか」
「私はそう感じています」
「感じられてるんですか」
「これです」
ここでだ、速水は。
一枚のカードを出した、それは塔の逆であった。
「あの新聞社を占うと最近はこればかりが出ます」
「最悪の破滅ですか」
「正か逆かの違いがあれど」
それでもというのだ。
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