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円卓

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第一章

                円卓
 アーサー=ペンドラゴンは王になった、その腰にはエクスカリバーがある。
 玉位に就いた時はまだ青年であり青い澄んだ瞳と茶色の短い癖のある髪の毛に長方形の顔で引き締まった赤い唇を持ち逞しい長身であった。その彼が玉座に座ると。
 相談役であり彼に仕える魔術師であるマーリン、白く長い髭を持ち灰色の目が輝き黒のローブを着ている彼がアーサーに言った。
「王よ、これまで共に戦ってきた騎士達と絆を築きましょう」
「絆をか」
「はい、それを築き」
 そうしてというのだ。
「彼等をこのブリテンの剣、盾、鎧、馬とし」
「ブリテンを護る力とするか」
「そうしましょう」
「それはいい考えですな」 
 アーサー以上の長身で黒髪で緑の目の者が言ってきた、アーサーと共に育てられ彼の義兄の様な存在で今は常に傍にいる司厨長のケイが応えた。
「早速騎士達を集めましょう」
「そこにはケイ卿貴方もです」
 マーリンはケイに微笑んで話した。
「おられますぞ」
「何と、私もか」
「はい、貴方も騎士ですから」
「しかし私は他の騎士達より遥かに弱い」
 ケイはマーリンにいささか怖気付いて応えた。
「だから」
「その中にはですか」
「入られぬ」
「貴方には最も強い武器がありますから」
 マーリンはそのケイに話した。
「だからです」
「その中にか」
「入って頂きたい」
「その武器とは何だ」
 ケイはマーリンに問うた。
「それで」
「忠義です」 
 マーリンはケイに一言で答えた。
「ケイ卿は王に対する誰以上に強い絶対のそれがあります」
「忠義か」
「ケイ卿が王を裏切ることは決してありませぬ」
「だからか」
「是非です」
 ケイにもというのだ。
「円卓に入って頂きたいのです」
「そうなのか」
「ランスロット卿、ガウェイン卿、トリスタン卿、パーシバル卿達もであり」 
「私もか」
「是非、では王の下にいる素晴らしき騎士達を全て集めましょう」
 こう言ってだった。
 マーリンはアーサーにすぐに話しブリテンで王の下にいる素晴らしき騎士達を全て集めてもらった。
 錚々たる騎士達を見てだ、マーリンは王に話した。
「ではこれよりです」
「絆をか」
「築きましょう」
「一体どうして築くのか」
 アーサーはマーリンに玉座から問うた。
「一体」
「我等は既に主従の誓いをしている」
 ケイがここでまた言った。
「それも絶対な」
「それでもう、ですな」
「いいのではないかとも思うが」
「確かにそれはしました」 
 主従のそれはというのだ。 
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