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八条学園騒動記

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第六百五十四話 マッコリにしてもその三

「もう日本の悪事がだ」
「徹底的に書かれているんだね」
「嘘ばかりな」
「実際はだ」
 タムタムは現実を話した。
「当時韓国は日本だった」
「併合されていてな」
「そして近代化を推し進めた」
「日本本土と同じくな」
「そうしていた」
 それが現実だったというのだ。
「実はな」
「そうだったな」
「収奪なぞだ」
 韓国の教科書にある様なことはというのだ。
「とてもだ」
「していなかったな」
「そもそも収奪しようにもな」
 そうしようとも、というのだ。
「当時の韓国はあまりにも貧しかった」
「何もない位にな」
「産業は何もなかったと言ってよかった」
 これは李氏朝鮮の悪政の結果だ、両班達の中央での政争と民衆に対する徹底的な搾取と無策が何百年も続いたからである。
「それではだ」
「収奪なぞな」
「出来る筈がなかった」
「ないものは奪えないな」
「春になれば餓えていた」 
 当時の朝鮮半島はそうであったのだ。
「春窮と言った」
「その言葉知っていたか」
 洪童はタムタムの今の言葉に驚いた。
「そうだったのか」
「意外か」
「ああ、韓国でもそれはなくなってな」
「知らない人も多いか」
「俺も実際は知らない」
「銀河の時代ではないな」
「それどころか冬に食い過ぎて動かなくてな」
 暖房の効いた場所にばかりいてというのだ。
「太って春の美味い食べものを我慢する」
「そうする位だな」
「春は餓えるどころかな」
 洪童は今の韓国について笑って話した。
「ダイエットのだ」
「春だな」
「そうなっている」
 こう話した。
「むしろな」
「そこまで違うな」
「ああ」
「そうだな、そして当時はな」
「春は餓えていた」
「食うものがなくなってな」
「冬に食い潰し」
 その結果だったのだ。
「何もなくなってな」
「春はそうだったな」
「しかも両班が酷かった」
 統治者である彼等がというのだ。 
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