DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)
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みんなそれぞれ頑張りました
揉みくちゃ…
ドムドーラの人々に囲まれ、揉みくちゃにされる私達。
言っておきますけどエッチな事されてるワケじゃありませんわよ!
単にお父さんのレミーラが珍しくて、皆さんが集まって来ちゃってるだけ。
アレフガルドの光源は、松明がメインなのです。
そんな中、煌々とレミーラの明かりを見れば、人々は有り難がって集まるのです。
「うわぁ…鬱陶しいなぁ………おいカンダタ!お前とモニカは、町民の方々にレミーラの魔法をレクチャーしてやれよ!魔法が得意な奴数人に教えてやれば、何れこの町全体に広まるはずだから、そんなに時間はかからないと思う………じゃ、ガンバレよ!」
出ました、お父さんの得意技『丸投げ』ですよ!
この時の為にカンダタとモニカさんにレミーラを教えておいたかの様に、全てを任せて人集りから逃げて行く男。
流石というか…最早身勝手さが神の領域です!
でも、私も見習いたいと思います。
だって本当にウザイんだもん!
コイツ等ワラワラと鬱陶しいんですよ!
ウルフに目で合図を送る…
彼も感じている様で、私を見て軽く頷くと、二人して身を屈め人々の足下を擦り抜ける様に逃げて行く。
うん。久しぶりのデートですぅ♥
何時まで経っても暗いですけど、正真正銘の夜です。
一部屋にみんなで集まって、今後の方針会議です。
因みに私とウルフは張り切りすぎて、ちょっぴり放心状態。
「カンダタ・モニカ、お疲れ様。この町の人々も、貴方達のお陰で暮らし易くなるわね!」
レミーラ教室は好評だったみたいね。
うん。良い事をしたと思うわ。
「あぁそうだな。やっぱり魔法の才能がある奴は凄いぜ!半日でマスターしちまうんだから…」
お前は憶えるのが遅すぎだろう。
20日は無いわぁ~…
「……で、アンタ等も色々手を尽くしたんだろ?アタイ等だけに苦労させておいて、本当に○○○やってただけだったら許さないよ!」
ドキッ!
デートしてエッチして、心地良い疲労感で放心状態の私達は、何と言い訳をすれば良いでしょうね?
「え?…いやぁ~…頑張ったんだけど…」
「ふん!頑張って何も無しかい!?」
「う~ん…結果が分かるまで、時間がかかるよ!一生懸命子作りに励んだけどね…」
「「「……………」」」
すげー…
言い訳どころか、認めた上にベクトルの違う努力を示してきたよ!
一生懸命言い訳を考えた自分が馬鹿みたいだ。
「え!?ヤ、ヤダ…そ、そう言う意味じゃないわよリュカ!」
「そ、そうですよ!私達、そんなに頑張ってませんし…何時もの半分だったし…」
何をヤっていたかなど皆既に存じているのに、わざわざ言葉にされると恥ずかしいのだろうか、顔を赤くして言葉の意味を説明するお母さん。
ハツキさんなど思わず余計な事まで暴露してるし。
「そ、そう言う意味じゃねーよ!何か今後の旅に役立つ情報等を仕入れたかって聞いてんだ!」
「あぁ!そう言う意味かぁ…」
どうすればこんな性格になれるのか…
私に子供が産まれたら、性格形成には注意しよう。
「うん。それだったら町外れの牧場でレミラーマを唱えたら、こんな物を拾いました」
お父さんは懐から綺麗な鉱物を取り出し、エッチだけをしていたワケでない事を見せつける。
う~ん…私達には何もないわねぇ…
「え~とね…町の人にコレを見せたら『オリハルコンじゃないか!?凄く貴重で、凄く堅い鉱物だ!遙か北の村…マイラで、オリハルコンを加工する事の出来る鍛冶屋が居る。これだけの量があれば、結構凄い武器を作ってもらえるぜ!』って、言ってたよ」
マイラの情報まで仕入れていたか!
「ではでは…マイラに行って、偉大なる勇者様専用の格好いい武器作ってもらいましょう!」
まぁ、どうせ笛を探す為にマイラへは行かねばならないのだし、『王者の剣』を作る為にも行った方が良いわよね。
「いや…僕はいらないよ。アルルにだけ最強の武器を作ってあげてよ」
「はぁ?私はそのつもりで言ったんですが…お兄様は何を勘違いしてるんですか?」
お前んじゃねーよ!
お兄ちゃんには『天空の剣』があるでしょうに!………此処には無いけどね。
「私は『偉大な勇者様』と言ったんです!『偉大な』ですよ!…最近、女遊びを憶えたからって、一端の英雄気取りですか?英雄の条件とは、色を好む事なんですよ…つまり、お父さんみたいな節操無しの事なんですよ!分かってますぅ? (ニヤニヤ)」
最近パパっぽくなってきたからって、勘違いしちゃいけねぇ~よ。
「お、女遊びなんかしてないよ!僕はアルル一筋なんだから…それに、それだったらアルルだって英雄の条件を満たして無いじゃないか!」
まだまだ青いわねぇ…
「アラ、お兄ちゃんは知らないんですか!?アルルお姉さんの…ゲフンゲフン、何でもありません事ですわよ…オホホホホ!」
「な!?ちょ、ちょっとマリーちゃん!勝手なデマを流さないでよね!私はティミー一筋よ…他の男となんて…その…あ、遊んでは…いないわ…よ…」
あ~…面白い。
ポピーお姉ちゃんが、お兄ちゃんをからかってたワケがよく分かる。
真面目な奴ってからかうと面白いんだよね!
あんまりおちょくり過ぎるのも可哀想だし、そろそろ真面目に会議を進めましょう。
「さて…私達は『メルキド』という町の情報を仕入れました」
私は『虹の橋』へ導く為の道筋をチラリと臭わせる。
「まぁ、地図にも載っているけど…ここより東にあるメルキドの町には、ゾーマの島へ渡る方法を知っている人が居るらしいのです。コレは行くべきでしょ!」
勿論この情報は前世でのゲーム情報なのだが、ゾーマの城への行き方と言われれば、無視も出来ないだろう。
しかもこれで、私達だけが何もしてない事が誤魔化せます。
「地図で見る限り、結構な距離がある町よね…道は険しい山道になってるみたいだし…しっかりと準備をしてから出立になるわね!」
おや?
アルルさんが会議を纏め終わらせようとしてますわ。
何をそんなに急いでるのかしら?
「これからの事を考えているところ申し訳ありませんが、アルル殿には何も情報は無いのですか?リュカ殿・ビアンカ殿・ハツキ殿はオリハルコンとマイラの情報を…マリー殿・ウルフ殿はメルキドの情報を…私はカンダタ殿とモニカ殿と共に、町の皆様方に魔法をお教えする手伝いをしておりました。アメリア殿とラーミア・ミニモンはともかく、勇者と呼ばれるお二人だけ、何の情報も無いというのは…ねぇ!?」
的確な意見だが、ラン君が言うと本当に嫌な感じに聞こえるのは何故だろうか?
……やっぱりニヤケながら言うからかな?
「わ、私達は…「許してやれよラング!」
もう一人、ニヤケながら嫌な言い方をする男が此処にいました。
「ヤリたい盛りの若い男女が、2人きりになったらどうなるかくらい分かるだろ!世界平和より…旅の情報より…腰振り合ってたいんだよ!許してやろうよ…大人として…な!」
大人として息子をからかうのはどうなのかと………?
「な!?ちょ、ちょっと…「コレは失礼しました!」
可哀想に…お兄ちゃんとアルルさんは、何も言わせてもらえない。
「私とした事が…お二人は愛し合われておりましたね!なのに『情報は何もないのか!?』等と…非常識極まりない言葉、お許しください!『疲れた!』とか言って、昼にもなってない時間から宿屋に篭もる様なご両人ですものね…今日も大分頑張った事でしょう!いやぁ~申し訳ございません!」
心にも無い事をいけしゃあしゃあと言い切るラン君。
「い、いや…」「あ、あの…」
「世界全体の未来より、自分たちの未来の事で頭がいっぱいなんだ!」
「そうですよね…重要情報を得るよりも、可愛い子供さんを得る事に大忙しですよね!」
「そうさ!少し待ってれば僕は『お爺ちゃん』になるんだぜ!いいだろ~………でも『お爺ちゃん』って呼んだらぶっ飛ばすけどね!」
「羨ましいですねぇ…私なんか、自分のお相手を見つけるのに苦労してますから…どうでしょう、お孫さんが出来る訳ですし、奥さんくれませんか?」
「意味分からん!何で孫が出来ると、奥さんを手放さなければならないんだよ!?」
お父さんとラン君が楽しそうに会話する。
この二人が楽しそうに会話すると、その余波で誰かが不幸になる。
それも最大級の不幸に…
「い、いい加減にしてください!」
「そうですよ!僕達だって色々情報を集め回ったんです!」
あ、流石にキレた!
「情報を集め回ったぁ~?………本当かよ!?」
ほ、ホントかよ……?
だとしたらマジて何もしてないのは私達だけッスか?
「(ムカッ!)本当ですよ!ただ、大した情報が無かったから言わないだけです!」
「そうよ!エッチしかしてない様な言い方するの止めてください!私もティミーも、町中を歩き回ったんです!」
わ、私とウルフだって町中を歩いたわよ!
………デートしてただけだけどね。
「でも、お二人ともエッチはしたんですよね?」
「したよ!時間が有り余ってたからエッチしたよ…わりーかよ!父さんだってしたんだろ!?」
悪くないよ!だってエッチは気持ちいいもん!
「うん。でも有力情報も集めたよ」
「ぐっ…だ、だから…碌な情報が無かったのよ!」
私のは前世の記憶よ!
「では、どんな情報があったのですか?お二人が得た情報を教えてください。有益かどうかは皆で判断しましょうよ。そんなに急いで会議を終わらせる必要はないでしょう!」
「お!ラングは良い事言うねぇ…よし、お前等の得た情報を出しなさい。子供の作り方以外の情報を披露しなさい!」
私は“子供の作り方”の方を実技で見せて頂きたいですわ!
「わ、分かりましたよ…本当に大した情報はないんですよ!………えっと、武器屋のご夫婦に赤ちゃんが生まれるらしく、旦那さんが名前を一生懸命考えていて、買い物が出来ませんでした…」
本当にどうでもいい情報ね…確か『ユキノフ』だったけ?
「あと…あ、そうだ!町外れに居たエルフが、マイラの温泉の南に、『妖精の笛』と呼ばれるアイテムが埋まっているって言ってたわ…だから何なの?って感じだけど、何れマイラに行くのなら、ちょっと探してみます?」
お、それは重要な情報じゃん!
「あぁ…それと、井戸の中に人が居て、もうすぐ水が枯れるって嘆いてましたね…」
「えっと…それに………」
・
・
・
・
・
「………と、こんなところです」
『妖精の笛』以外の情報はマジでクズね。
「本当に碌な情報が無いですね…」
いえ『妖精の笛』の情報は重要よ。
「うん…マイラの情報は重要そうだね。行った時に探してみよう!温泉の南…だったよね?」
お、流石お父さん。
………でも何でその情報が重要だって分かったのかしら?
「え!?本気で言ってます?…笛が埋まっているってだけですよ…」
「本気だよ…もしかしたら凄いアイテムかもしれないだろ。取り敢えずは見つけてから考えよう」
「「は、はぁ………?」」
アイテムがあるってだけで判断してるの?
「何が重要で何が不要かなんて、誰にも分からないのだから、手に入れた情報はともかく出し切ろうよ…最近のお前等はエッチの事しか頭にないだろ!?今だって早く終わらせて部屋にしけ込みたいと考えてるだろ!?」
「「ゔ…」」
ゔ…私も言い返せないわ…
「ティミーはいいよ…お前はこの世界の人間じゃないんだ。この世界がどうなろうと関係ないからね!…でもアルルはダメだろ!?君は世界を平和にする為に自ら旅立ったんだよ…彼氏とイチャつくのは構わないけど、使命をおろそかにしちゃダメだよ。自らの旅路を有意義な物にする為、手を抜いてはダメだよ!表の世界での幽霊船の事もあるんだ…無意味な事柄に思えても、実はアルルの旅に必要不可欠だったろ!?収集して仕入れた情報は、みんなの共有にしないとね」
つまり私はエッチがメインで良いわけね。
チラリとウルフを見ると同じ事を考えてたのか、ホッとした表情をする。
勇者じゃなくて良かった!
「あ!ご、誤解するなよ…僕は2人が仲良くする事を注意しているワケじゃないからね!エッチ…大いに結構!本当に早く、孫の顔を見せてほしいよ!…ただ、やる事やってから、ヤる事ヤろうって意味だからね!」
「「はい………」」
「父さんの仰る通り、僕はアルルの事が好きすぎて、少しばかり浮かれてました…もっと自重する様心がけます…」
「私も…初心を忘れてました。ありがとうございますリュカさん…大事な事を気付かせて貰いました」
確かに最近のバカップルぶりには目に余る物があるわね。
でも………
“お前が偉そうに言える事じゃないだろ!!”
って言いたい!
でも折角キレイに纏まってるのだし、空気を読む事が出来る私は、ソッと胸にしまい込みますわ。
だって“仲良き事は美しき事かな!”だし!
後書き
出来れば1月中に完結させたいなぁ…
次話はメルキドだし、どうにかなるかな?
マリーちゃんが完結したら、次は待望のDQ4だ!
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