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イベリス

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第四十五話 考えは変わるものその八

「凄くな」
「身体にいいのよね」
「美味しかったろ、それに」
「凄くね」
「咲も結婚して子供が出来たら」
「その子供になのね」
「そうしたものを飲ませてな」  
 そうしてというのだ。
「食べさせるといいんだ」
「美味しくて栄養があるものを」
「そうなんだ、咲は好き嫌いがなくてその点は楽だった」
「そういえばあまり嫌いなのないわ」
 苺を食べつつ父のその言葉に頷いた。
「私って」
「そうだな」
「結構色々食べるわね」
「子供が嫌いなピーマンも鰯も食べるな」
「どっちもね」
「だからな」
 好き嫌いがなくてというのだ。
「そこはやりやすかった」
「そうだったのね」
「何でも食べるとな」 
 父はまた言った。
「親もやりやすいし本人もな」
「いいのね」
「何でも美味しいと幸せだろ」
 出した冷奴を肴に言った。
「それに栄養にもなるし」
「そうよね」
「ただ。脂っこいものはあまりだな」
「ううん、苦手ね」
 咲もそれはと答えた。
「オリーブオイルは好きだけれどな」
「あれは大丈夫なんだな」
「好きだしね」
 このこともあってというのだ。
「オリーブオイルは沢山でもね」
「大丈夫か」
「別にね」 
 そうだというのだ。
「私はね」
「だからイタリア料理もスペイン料理も大丈夫か」
「あと食べたことないけれど多分ギリシア料理もね」
「ギリシアか。あの神話とか聖闘士とか十二神の」
「最後のは最初と同じじゃないの?」
「聖闘士描いた人の最初のヒット作で出た敵役なんだ」
 こう娘に返した。
「ボクシングの漫画でな」
「そうした漫画も描いていたの」
「その十二神もギリシアにいたんだ」
 この国にというのだ。
「そうだったんだ」
「それでお父さんも言ったのね」
「そうなんだ、しかしィリシア料理もか」
「最近聞くわよ」
 こう父に話した。
「ムサカとかね」
「そんな名前の料理もあるんだな」
「それでオリーブオイルをね」
「沢山使うんだな」
「イタリアやスペインのお料理と同じで」
 こうした国々のというのだ。
「そうみたいよ」
「そうなんだな」
「ええ、それで私オリーブオイルはね」
「好きか」
「だから沢山使ってもね」
 そうしてもというのだ。
「平気よ」
「そっちはそうか」
「ええ、脂っこいものは苦手でも」
 それでもというのだ。 
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