ドリトル先生とめでたい幽霊
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第十一幕その三
「そんな気がして仕方ないよ」
「もうお亡くなりになっていても」
それでもとです、ポリネシアは言いました。
「魂はね」
「そんな気がして仕方ないけれど」
トートーはどうにもと言いました。
「どうなのかな」
「まだおられたらいいね」
「大阪の街にね」
チープサイドの家族も言います。
「それで大阪の街を巡ってね」
「楽しんでいたらね」
「あれだけ大阪が好きなら」
老馬はその目を真剣なものにさせています。
「おられても不思議じゃないよ」
「今もおられて欲しいね」
チーチーは素直に自分の気持ちを言いました。
「織田作さんには」
「若くして亡くなったけれど」
「魂は不滅だから」
オシツオサレツは魂のお話をしました。
「だからね」
「是非共ね」
「おられたらお会いしたいわ」
ガブガブも自分の気持ちを述べました。
「是非ね」
「そうだよね、おられるのかな」
王子も言います。見ればご飯だけでなくお酒もあります。ご飯を食べた後でお酒も楽しむつもりなのです。
「織田作さんは」
「どうだろうね、確かに魂は不滅だし」
それにとです、先生も言います。
「そして生まれ変わりもね」
「するね」
「日本人の宗教ではね」
「そうだね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「この世に留まりもね」
「するね」
「魂魄と言って」
「魂は一つじゃないんだ」
「うん、同じ魂でもね」
それでもというのです。
「幾つかあって守護霊にもなったり生まれ変わったりもして」
「それでなんだ」
「この世に留まったりもね」
「するんだね」
「ただあまりにも怨みが深いと」
「その複数の魂も」
「一つに留まって」
そうなってというのです。
「怨霊になるのかもね」
「日本は怨霊のお話もあるね」
「多いよね」
「日本で一番怖い存在だね」
「鬼や妖怪よりもね」
遥かにとです、先生は揚げでご飯を食べながら言いました。
「怨霊はね」
「怖いね」
「魔王にもなってね」
「そうだよね」
「織田作さんはまずなっていないけれどね」
「そんな作風でもないし」
「そうした人でもね」
人間性を見てもというのです、作品に出ているそして言われているそちらをです。
「ないから」
「だからだね」
「そう、別にね」
これといってというのです。
「怨霊になることはね」
「ないね」
「僕は確信しているよ」
「織田作さんについては」
「そうした人じゃないよ」
「そうだね」
「ただ大阪が本当に好きで愛していたから」
だからだというのです。
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