恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百十五話 鷲塚、小次郎を気遣うのことその二
「こんなまずいとは思わなかったのじゃ」
「極悪のに水です」
それがその水の名前だった。
「とにかくまずいと評判で」
「噂には聞いていたがじゃ」
「最悪だったのじゃ」
「お楽しみ頂けましたか」
「いや、死ぬかと思ったのじゃ」
本当にそうだと言う袁術だった。
「ううむ。世の中凄いものがあるのう」
「毒味はしていますので」
このことは断る郭嘉だった。
「そしてこれからもです」
「わらわの食事はじゃな」
「はい、常にそうさせてもらいます」
袁術に確かな顔で話す。
「何があっても御護りしますので」
「済まぬのう」
袁術は郭嘉に心から礼の言葉を述べた。
「わらわには七乃もおるしな」
「当然私もですよ」
いつも通りにこにことして話す張勲だった。
「美羽様には何もさせませんから」
「うむ。宜しく頼むぞ」
「偶像支配は永遠です」
郭嘉も言い切る。
「ですからオロチが来ても刹那が来てもです」
「美羽様は私達が御護りします」
「では宜しく頼むぞ」
まずい自ら立ち直り笑顔で応える袁術だった。彼女の護衛もしっかりしていた。
袁紹もだ。彼女もだ。その左右にだ。
顔良と文醜がいる。その二人が彼女に言うのである。
「本当に何時誰が来るからわかりませんから」
「警戒しないと駄目ですよ」
こう自分達の主に言うのである。
「麗羽様は只でさえすぐに前に出られますし」
「突拍子もないことしますからね」
「突拍子もないというのは余計ですわ」
袁紹は文醜の言葉にはむっとして返す。今彼女は彼女自身の天幕にいる。その後ろには審配がいる。
その彼女もだ。袁紹に強い声で言う。
「私もいますので」
「護ってくれるのでして?」
「そうさせてもらいます」
こう言いながら己の短剣も見る。腰に吊られているそれを。
「ですから御安心下さい」
「わたくしには貴女達がいますわね」
ここでだ。袁紹はふとこんなことを言った。
「ですが問題は」
「月さんや命さんですね」
審配が答える。
「あの方々が」
「ええ。封じる力を持つ娘達ですけれど」
「単独行動はしていません」
まずはこう答える審配だった。
「常に何人もいて、です」
「そうしてですわね」
「そして陣中にいますので」
陣外に偵察等にも出ていないというのだ。
「ですから余程のことがあっても」
「大丈夫ですわね」
「はい、御安心下さい」
「確かに白装束の者達も厄介ですけれど」
ここで言う袁紹だった。
「ですがやはり」
「あの連中ですね」
「あっちの世界から来た」
「ああいうのを邪神と言いますわ」
まさにそれだとだ。袁紹は顔良と文醜にも話した。
「封じなくてはそれこそ」
「この世界がですよね」
「本当に司馬尉の望む通りになっちゃいますわね」
「それだけは避けなければなりません」
審配も言う。
「ですから花麗や林美達も警護していますから」
「ええ。刺客は一人も入れてはなりませんわ」
袁紹の言葉は強かった。他に孫策も警護が固い。しかしだ。
この人物についてはだ。本当に誰もついていなかった。
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