チョイ悪大学生の教えること
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第一章
チョイ悪大学生の教えること
谷田実男は大学生である、講義とアルバイトは真面目に出ているが服装は柄の悪い感じで髪型も歩き方も態度もだ。
イキリという程ではないが柄が悪い感じである、一七四位の痩せた顔でいつも顎をしゃくらせた表情をしている。眉は太く顔立ち自体は悪くないがそうした風体の為あまりいい感じはしない。
その彼がだ、家の近くの公園でコーラを飲んでいると近所の小学生達に聞かれた。
「おっちゃん何しているの?」
「学校さぼってるの?」
「それとも彼女に振られたの?」
「俺はまだ二十歳だ、あと学校もさぼってないし彼女もいないからな」
谷田は子供達に怒って言い返した。
「というか彼女いなくても別に困らないだろ」
「あれっ、そうなの?」
「彼女さんとか彼氏さんいた方がいいよね」
「そうだよね」
「そんなのいなくてもどうにもなるんだよ」
谷田は彼が知っている世間から話した。
「その為にアダルトビデオとかエロ本とか風俗とかあるんだよ」
「そうなんだ」
「別に彼女いなくてもいいんだ」
「やっていけるんだ」
「そうだよ、エロゲとかエロアニメもいいぞ」
谷田は真面目な顔で話した。
「いいか?文学でもそうした作品あるからな」
「えっ、あるんだ」
「真面目なのばかりじゃないんだ」
「難しいのばかりじゃないんだ」
「谷崎潤一郎とか永井荷風とかあるんだよ」
文学部国文科なのでこうしたことには詳しいのだ。
「そういうの読んでもいいんだ」
「そうなんだね」
「僕はじめて知ったよ」
「大人になったら彼女必要だって思ってたよ」
「そうなんだよ、世の中色々やり方があるんだよ」
こう小学生達に言ってコーラを飲み終えるとだった。
缶を自動販売機の傍の空き缶入れに入れてから去った、そうしてだった。
また公園に来た時に同じ小学生達がいてベイブレードをしていたが。
彼等にだ、こう言った。
「お前等そんなんじゃ駄目だぞ」
「えっ、駄目なの」
「上手くならないの」
「そうなんだ」
「あのな、正攻法ばかりで強くなるか」
こう言うのだった。
「色々やり方があるんだよ」
「具体的にはどんなの?」
「どんなやり方があるの?」
「上手になるには」
「上手じゃなくて強くなるな」
そうしたというのだ。
「やり方があるからな」
「じゃあ教えて」
「どうやったら強くなるの?」
「それで勝てるの?」
「いいか、それはな」
子供の頃勉強した知識を話した、それは全て裏技や見えない反則といったものばかりだ。谷田は子供達にそうした話を全てして語った。
「いいか、こうしたらな」
「強くなれてなんだ」
「勝てるんだ」
「そうなんだ」
「当たり前のことやって勝てるか」
彼は持論を展開した。
「俺の言う通りにしろ、いいな」
「うん、それじゃあね」
「これからそうしてくね」
「それで勝っていくね」
「そうしろよ」
こう子供達に話した、そしてそれからも。
谷田は公園で子供達に会うと色々な遊びの裏技や反則技喧嘩の時は某ブッチャーの様に武器を使えだの某アントニオ猪木の様な急所攻撃から反則スリーパーで締めろだの教えていった。すると彼は子供達の頼れるお兄さんになったが。
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