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展覧会の絵

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第二話 吸血鬼その十二

「どうやら本当にとんでもない連中ですね」
「とにかく悪事なら大抵やってる奴等だぜ」
「俺達みたいに節度を守ってる連中じゃないのは確かだな」
「御前も絡まれたのかよ」
「少し」
 そうなったとだ。十字は先輩達に答えた。
「画廊に来まして」
「成程な、それでか」
「それで俺達に情報聞きに来たって訳だな」
「はい、そうです」
 まさにその通りだとだ。十字は彼等に答えた。
 先輩達は彼の言葉から少し笑みになってだ。それからまた述べたのだった。
「まあな。御前は結構誤解されやすいところあるからな」
「なまじっか顔がよくて無愛想な感じだからな」
「すかして見えるんだよ」
 こう十字に話すのだった。
「そこが問題だからな」
「けれどあれだぜ。俺達は話がわかるつもりだけれどな」
「あいつ等は違うからな」
「まず手前等しかないんだよ」
 彼等のその人間性についてだ。十字に話すのだった。
「自己中っていうか?」
「とにかく自分達が楽しければそれでいいって奴等なんだよ」
「それこそ金に女に食いものも他人を犠牲にしてもいいっていうかな」
「よくいるだろ。漫画とかで出て来るチンピラみたいな奴」
 先輩の一人がここでこんな表現を出してきた。
「連中はそういう奴等なんだよ」
「俺達もあいつ等には結構注意してるんだがな」
 だがそれでもだというのだ。連中はだ。
「もうな。人の話なんか絶対に聞かねえ」
「その場は聞いたふりしてもすぐにカツアゲしたり万引きしたりなんだよ」
「何かとんでもないのがバックにいるってのも聞いたな」
「バック?」
 先輩のその話にだ。十字はだ。
 眉を顰めさせてだ。そして問い返したのだった。
「バックとはまさか」
「ああ、ちょっとそんな噂があるんだよ」
 その先輩は眉をやや顰めさせ嫌悪感も見せつつ十字に述べた。
「あいつ等があれだけ遊べる金の出所は何処かって話になってな」
「いや、あれカツアゲしてるからだろ」
 別の先輩がその先輩に突っ込みを入れて言った。
「だからあれだけ金持ってんだろ」
「それにしちゃ贅沢だろ。遊び回って寿司に焼き肉だぜ」
 その先輩は連中が食っているものについても言及した。
「それも高い店でばかりだろ。高校生の行ける店か?」
「そういえばそうか」
「どうせ碌でもない奴だろ」
 その先輩はまた言う。
「ヤクザとかそういうのだろ」
「いるとしたらそうだろうな」
「だよな。本当にチンピラだからな」
 先輩達は連中についてさらに話す。実に忌々しげにだ。
「だったらヤクザとかから金貰って悪事やってるってか」
「警察は何してるんだろうな」
「あんな奴等全員逮捕して少年院に放り込めばいいのにな」
「全くだな」
 こう彼等の中で話をしてだ。そのうえでだ。
 十字に顔を戻してだ。あらためて彼に話すのだった。
「で、その連中の名前だけれどな」
「やっぱり聞きたいよな」
「はい、お願いします」
 実際にだ。名前を聞きたいと述べる十字だった。
「学年は二年の様ですが」
「全員二年Z組だよ。一応普通科さ」
 まずは学年と学部の話からだった。
「そこで爪弾きにされてる奴等だよ」
「クラスでも嫌われてるんですね」
「屑を好きな奴は屑しかいないからな」
 ここで世の中の摂理の一つも述べられる。類は友を呼ぶということだ。 
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