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ドリトル先生とめでたい幽霊

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第九幕その十二

「お笑いはね」
「何ていうかね」
「お笑いの街って言うからにはね」
「もっと面白くあって欲しいね」
「というかテレビのお笑いって目が笑ってないから」
「問題なんだよね」
「そこがね」
 どうにもと言うのでした、先生も。
「まず自分の目がね」
「笑っていないとね」
「それって自分が面白いって思っていることだから」
「自分が面白いと思ってなくてどうして面白いの?」
「そんなお笑い見ても笑えないよ」
「漫才でも落語でもね」
「一発芸やるにしても」
 お笑いを見せるにしてもというのです。
「さもないとね」
「どうにもならないよ」
「そこがなってないよね」
「最近のお笑いは」
「そこが残念だよ」
 先生は本当に残念そうに答えました。
「大阪のお笑いはもっと頑張って欲しいね」
「成り上がるんじゃないんだよね」
「芸能界の中でね」
「人を笑わせる」
「笑ってもらうことだよ」
「その気持ちがないとね」
「観ている人も笑えないよ」
 そうだというのです。
「本当にね」
「全くだよ」
「新喜劇を見てもそう思ったよ」
「新喜劇や舞台の漫才自体は面白くても」
「やっぱり昔の方が面白いしね」
「昔のお笑いも勉強して」
 そうしてというのです。
「そして今に活かす」
「大事なことは笑わせる」
「笑ってもらうだよ」
「まず自分が面白いと思う」
「そうじゃないとね」
「そう、ましてお客さんに喧嘩売るみたいに画面に向かって中指立ててね」
 先生はお顔を曇らせて言いました。
「政治活動ばかりする様だと」
「面白い筈がないね」
「誰が笑うのかな」
「そんな人のお笑いなんてね」
「誰も見ないよね」
「それは論外だよ、お笑いは難しいよ」
 先生はこうも言いました。
「どんなに悲しんだり落ち込んでる人にも笑ってもらわないとね」
「全くだね」
「そうしたものでないといけないよ」
「そこをわかって欲しいね」
「全く以てね」
 がんこ寿司でこうしたお話もしました、そしてです。
 先生は皆と神戸に戻りました、この日はお風呂に入って歯を磨いてそのうえで寝ました。 
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