ドリトル先生とめでたい幽霊
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第九幕その八
「織田作さんに話を戻すけれど」
「あの人ですね」
「忍者も書いていたことはね」
このことはというのです。
「覚えておいてね」
「猿飛佐助にですね」
「そのニコ狆先生もね」
「そのニコ狆先生っていう名前が」
トミーは思わずくすりと笑って言いました。
「面白いですね」
「ユーモアがあるね」
「煙草の煙で姿を消すことも」
「このこともね」
まさにというのです。
「面白いね」
「はい、確かに」
トミーも笑顔で頷きました。
「漫画でありそうですが」
「それを戦争中に書いて発表しているよ」
「配給のことも」
「そうだよ、その世相もお話に書く」
「それも面白いですね」
「織田作さんはそうしたことも書いていたから」
それでというのです。
「世相では終戦直後の社会も書いているよ」
「そうなんですね」
「うん、ちなみにニコ狆先生の結末も面白いから」
だからだというのです。
「それを読んでもね」
「いいですか」
「そうだよ、だからね」
「読んでですか」
「損はないよ」
「ならそうしてみます」
トミーも頷きました。
「是非共」
「それじゃあね、さて今日は何を食べようかな」
ここで先生はあらためて言いました。
「一体」
「今回も色々食べてるけれどね」
「大阪の名物を」
「それじゃあ今度は何を食べるか」
「少し考えるね」
「そうだね、皆は何がいいかな」
先生は皆に尋ねました。
「それで」
「そう言われるとね」
ガブガブは首を傾げさせました。
「困るわね」
「これまで結構食べてきたし」
老馬も言います。
「そう言われるとね」
「ちょっと考えるね」
トートーもそうでした。
「どうも」
「自由軒のカレーもいずも屋の鰻丼も食べてるね」
「関東煮も山椒昆布も」
チープサイドの家族は具体的に食べたものを挙げていきます。
「串カツもお好み焼きもたこ焼きも」
「きつねうどんもそうだね」
「中華料理も食べたし」
ダブダブも言います。
「ごぼ天や沖縄料理だってね」
「ホルモンも食べたよ」
ホワイティも言います。
「どれも美味しかったね」
「それで今回は何を食べるか」
「そう言われるとね」
オシツオサレツの二つの頭はどちらも傾げられています。
「考えるね」
「次は何かって」
「ううん、何がいいかな」
チーチーも考えます。
「一体」
「さて、後はね」
ジップが続きました。
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