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イベリス

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第四十四話 麦わら帽子を買いながらその三

「環境よ」
「それの問題で」
「人がシリアルキラーになるのも」
「家庭が原因だったりするの」
「そうよ、異常な親とかでね」
「そうした親に育てられて?」
「まあ虐待されての場合が多いわね」
 シリアルキラーについてはそうしたケースが多い、虐待された者は虐待を行う。負の連鎖の一つである。
「それでね」
「おかしくなって」
「シリアルキラーになるのよ」
「そうなのね」
「だからね」
 それでとだ、愛はさらに話した。二人で百貨店の中を歩きつつ。まずはサングラスの店が近くにあるのでそちらに向かっている。
「環境次第でよ」
「人は決まるのね」
「家庭だけじゃないけれどね」
 ここで言う環境はだ。
「学校とか職場とかご近所とかね」
「そうしたの全てなの」
「けれどやっぱり家庭はそこが生活の中心の一つでしょ」 
 愛は咲に言った。
「そうでしょ」
「ええ、それはね」 
 その通りだとだ、咲も答えた。
「やっぱりね」
「そう、だから家庭がおかしいとね」
「その人もおかしくなったりするから」
「子供は親の背中見て育つとも言うでしょ」
 愛はこの言葉も出した。
「だったらね」
「おかしな人の親御さん達も」
「そうである場合も多いから」
 それでというのだ。
「尚更ね」
「おかしな人とお付き合いすることになるのね」
「だからね」
 それが為にというのだ。
「咲ちゃんもね」
「注意することね」
「交際する人とはね」
「間違ってもヤクザ屋さんみたいな人とはお付き合いしない」
「性格が異常に悪い人ともね」
「交際しないことね」
「それまでによく見極めて」 
 その相手をというのだ。
「そしてね」
「慎重になのね」
「交際するかどうか決めてね」
「さもないと大変なことになるわね」
「今お話している通りにね」
「そういうことね」
「ええ、くれぐれもね」
 こうした話もしながらだった。
 二人は眼鏡ショップに入った、そこでサングラスを物色したが咲は赤い縁が可愛い彩色のそれを見て言った。
「これいいかしら」
「そうね、咲ちゃんに似合ってるわね」 
 愛もそれはと答えた。
「私も選ぶけれど」
「お姉ちゃんもなのね」
「ええ、実は私レイバンが好きだけれど」
 このタイプのサングラスがというのだ。
「けれどね」
「かけないの」
「何か私だと似合わない感じがするから」
 それ故にというのだ。
「だからね」
「かけないのね」
「そうしてるの」 
 こう咲に話した。
「私はね」
「そうなのね」
「基本赤系統なの」
 サングラスの色から話した。 
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