イベリス
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第四十二話 完成その八
「いいわね」
「ええ、最低な人よね」
「その最低な人になりたくないでしょ」
「自分でもね」
「そう思うならね」
それならというのだ。
「絶対によ」
「そうならない様に」
「反面教師にしなさい」
そうした輩をというのだ。
「人生常にだけれど高校時代は特にね」
「今はなの」
「そうしたことを勉強する時なのよ」
「人のことを」
「それで世の中のことをね」
「勉強する時なのね」
「青春って言われる時はね」
つまり今の咲の様な頃はというのだ。
「そうしたことをね」
「勉強する時なのね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「勉強していってね」
「世の中のことを」
「その色々なことをね」
「そうする時ね」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「成長していってね」
「今ってそんな時なのね」
「まあ嫌でも色々勉強することになるわね」
母は笑ってこうも言った。
「高校に通っているだけで」
「それだけでなの」
「中学の時とね」
「高校の時は」
「些細なことでも印象に残ってね」
そうもなってというのだ。
「それで性格の形成にもね」
「影響するのね」
「かなりね」
そうなるというのだ。
「だからよ」
「私もなのね」
「そうなるわよ」
「そうなの」
「後になってわかるわ」
母は微笑んでこうも言った。
「今はね」
「性格が決まる時なのね」
「そうよ、お母さんもお父さんもね」
「中学高校でなのね」
「おおよその性格が決まったわ」
「じゃあお父さんの東京への思い入れも」
その裏返しである埼玉への偏見もというのだ。
「それもなのね」
「子供の頃からのこともあってね」
「中学高校でなの」
「結構以上に出来上がったと思うわ」
「そうなのね」
「ええ、それでお父さんもね」
「もうすぐ帰って来るわね」
咲は時計で時間をチェックして述べた、見れば父は酒を飲んで帰ってもそろそろ帰って来る時間だった。
「そうね」
「ええ、多分ね」
「そうよね」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「この時間だと」
「飲んでるわね」
「居酒屋でね」
店はそこでというのだ。
「多分駅前の焼き鳥屋さんでね」
「ああ、あそこね」
「あそこで焼き鳥食べて」
そうしてというのだ。
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