明日は晴れ
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第一章
明日は晴れ
ダイアナ=ワトソン夫人はこの時窓の外を見てぼやいていた、そのうえで家の中にいる夫のグラハムに言った。
「もう一週間もよ」
「雨だね」
「全く。我が国は雨が多いわ」
「特にこのロンドンはそうだね」
夫は妻に笑って話した、二人共三十代であるがまだ二十代の若々しさを持っている、夫は茶色の髪の毛を奇麗にセットしていて青い目には知性がある。妻はブロンドの髪の毛を後ろで団子にしており長い睫毛の青い目と赤い唇が印象的だ。
「霧の都と言われて」
「霧が多くて」
「そして雨もだよ」
「そうね、けれどね」
「もう一週間だね」
「全く、お洗濯も大変よ」
主婦らしく言った。
「本当にね」
「お家の中で干してばかりだね」
「乾燥機を使ってね」
「そうだね」
「乾燥機を使うと電気代がかかるし」
やはり主婦らしく言う。
「やっぱりお外で干して乾かした方がよ」
「いいね」
「だからね」
それでというのだ。
「早く晴れて欲しいわ」
「まあ天気のことは仕方ないからね」
「人間の力ではね」
「そこはまだ神のお仕事だよ」
「そうね、ただ天気予報は」
妻はこちらの話をした、二人共室内着だが雨が続いて寒いので露出はほぼない。
「今は人間も出来るわ」
「それを見たら」
ここで夫は言った。
「これがね」
「暫く雨なの」
「あと五日はね」
「やれやれね、幾ら雨が多い国でも」
「ここまで多いとだね」
「もううんざりよ」
ここまで思うというのだ。
「本当にね」
「まあそう落ち込まないでね」
「折角の休日も雨なのに」
「教会には行ったし」
雨の日に二人で傘をさしてだ、尚二人共まだ子供はいない。宗教はイギリス国教会でそちらの教会に行った。
「だからね」
「それでなのね」
「あとはゆっくりしよう」
「何処も出歩かないで」
「それでね、こんな日もあるよ」
「こんな日?一週間雨なのに」
「そんな時もあるよ」
夫は笑ってこう言い換えた。
「だからね」
「それでなの」
「昼寝するなりゲームしたりしてね」
「過ごせばいいのね」
「それでどうかな」
「それじゃあね。ゲームをするわ」
スマートフォンのそれをとだ、妻は応えた。
「晩ご飯までね」
「僕もそうするよ」
「お陰でゲームは順調よ」
雨ばかりであまり外出しないからというのだ。
「そうなってるわ」
「そうなのね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
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