イベリス
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第四十二話 完成その四
「高校生の時はね」
「結婚とかとてもよね」
「想像も出来なかったわ」
「そうよね」
「そんなことはね」
それこそというのだ。
「夢だったわ」
「高校の時ってそうよね」
「普通はね。けれどね」
「それでもなの」
「縁があれば」
それでというのだ。
「実際にね」
「結婚するのね」
「そうなるわよ、咲だったね」
「結婚出来るの」
「少なくとも十六歳になれば」
そうなればというのだ。
「結婚出来るでしょ」
「法律的にはね」
「実際今十六歳で結婚する娘なんて稀も稀だけれど」
それでもというのだ。
「けれどね」
「それでもなのね」
「法律的にはね」
「十六歳、もうすぐね」
「結婚出来る様になるわ」
「そうなのね」
「だからね」
母はさらに話した。
「結婚したら」
「その時はなの」
「そう、それでね」
「結婚して子供が出来たら」
「これも縁だけれどね」
子供が生まれることもというのだ。
「その時そんな人を見て」
「反面教師にして」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「いい親になってね」
「そうなるべきなのね」
「ええ、それでいい人はね」
母はさらに話した。
「お手本にするのよ」
「こうあるべきね」
「そう思ってね」
そのうえでというのだ。
「やっていってね」
「いい人はお手本ね」
「悪い人は反面教師にしてね」
「いい親になるべきなのね」
「それで旦那さんともね」
「仲良くなのね」
「そうなるのよ」
こう言うのだった。
「例え今は全く考えがつかなくても」
「それでもなの」
「そう、けれどね」
「今はなのね」
「このこと覚えておいてね」
「結婚して子供が出来たら」
その時はというのだ。
「その時はね」
「それぞれお手本と反面教師をなのね」
「見定めて」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「成長していくのね」
「そうしなさい、お母さんもお父さんもずっとそうしてるから」
「ずっとなの」
「結婚する前もしてからもで」
それでというのだ。
「今もよ」
「私が高校生になっても」
「そうよ、人生はずっと勉強でしょ」
「一生勉強ね」
「だからね」
それでというのだ。
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