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レーヴァティン

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第二百四十話 運河の街でその十七

「急がずな」
「そうしますね」
「他の場でも占領は順調だそうで」
「バイキング達は次々と降っています」
「いい感じです」
「それならばですね」
「さらに進んでいくな、あと困っている場所はな」
 仲間達がそれぞれ率いている軍勢がそうなればというのだ。
「その時はな」
「助けますね」
「ああ、お互いに連携し合うこともな」
 そうして攻めていくこともというのだ。
「決めたしな」
「ただそれぞれ攻めるのではなく」
「互いに連携し合う」
「そうして攻めていきますね」
「十三の軍勢に分かれても」
「幾ら大軍でも分かれきるとな」 
 そうなってしまうと、とだ。久志は周りの者達に話した。
「幾ら敵がこっちより少数でもな」
「ばらばらになってしまい」
「そこから失敗しますね」
「そうなりますね」
「ヒドラは頭が幾つもあって胴体が一つだから強いんだ」 
 このモンスターの話もした。
「けれどそれが個々の蛇だとどうだ」
「一体一体倒せますね」
「ただの蛇の群れならば」
「もう各個撃破が可能です」
「そうなります」
「ヒドラより弱いさ」
 蛇の一匹一匹ならというのだ。
「ヒドラは頭が幾つもあるから強いんだ」
「それで一つの生きものであるからこそ」
「だからこそ強力ですね」
「多くの頭で攻撃してくるので」
「その為に」
「それが二つでも同じだよ」 
 この場合はツーヘッドスネークとなる、二つの頭で同時に攻撃して来る手強いとされる獣であり毒があったりもする。
「これが二匹の蛇ならな」
「まだましですね」
「一匹を先に倒せば後の一匹から攻撃を受けるだけです」
「二つの頭から攻撃を受けなくなります」
「だからいいですね」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「俺達もだよ」
「胴体は一つ」
「連携し合える様にはしていますね」
「今も」
「そのうえで攻めていっていますね」
「だからお互いに連携してな」
 それぞれの軍勢と、というのだ。
「攻めていくぞ」
「わかりました」
「そちらのことも念頭に置き攻めていきましょう」
「そしてカレリアも攻めましょう」
「そうしましょう」
「ああ、そうしていこうな」
 久志は周りにこう言ってだった、カレリアへの掌握を進めていった。彼は四万の軍勢を進ませ村の一つ一つを調略も使いつつ併呑していった。


第二百四十話   完


                 2022・1・1 
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