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レーヴァティン

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第二百四十話 運河の街でその十六

「俺としてはな」
「仲裁がいいですね」
「そうしたら両方傷付かないでな」  
 そうしてというのだ。
「帝国に入るからな」
「いいですね」
「ああ、争わせるのはいいさ」 
 戦略としてだ。
「けれど実際にな」
「干戈を交えさせることはですね」
「それはな」
 どうしてもというのだ。
「したくないな、血はな」
「流れないことが第一ですね」
「だからな」
 それ故にというのだ。
「出来るだけな」
「その前にですね」
「仲裁に入るな」
「そうしますね」
「ああ、じゃあお前の策をな」
「受け入れて下さいますか」
「そうするな、じゃあことを進めるな」
 笑顔で言ってだった。  
 久志はこの戦略を進めた、すぐにだった。
 対立している村同士に帝国が仲裁に入りそのうえで和解させてそこで帝国に入る様に言ってだった。
 帝国に組み入れていった、そして争わせた村達にも同じ様にしていった。
 そうしてだった、帝国は気付けばカレリアのかなりの部分を領土とし戦ってもだった。
「帝国に降った村の案内を受けていますし」
「詳しい地理も聞いています」
「だから戦も楽です」
「地の利がある者がついているので」
「非常に」
「ああ、それがな」
 久志も言った。
「有り難いな」
「全くです」
「降った者達からの話は貴重です」
「ずっとそこに住んでいるのですから」
「流石によく知っています」
「その者達から話を聞けてです」
「実に有り難いです」
「本当にな、これでゲリラ戦術もな」 
 懸念していた敵のそれもというのだ。
「かなり防げているな」
「森と湖が多く複雑な地形ですが」
「その為有利に戦えています」
「また寒さにもです」
「充分以上に対策を準備していましたので」
 だからだというのだ。
「そろそろ寒くなってきましたが」
「それでもです」
「そちらも問題はありません」
「皆健康を保っています」
「本当に準備していてよかったぜ」
 久志はこのことにもよしとなって笑顔になった。
「そっちもな」
「左様ですね」
「ではですね」
「このままですね」
「戦っていきますね」
「そうするな、そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「カレリア全土を掌握するな」
「そうしますね」
「このまま」
「争いの仲裁をし」
「そして案内も受けつつですね」
「掌握していくな」
 これを進めるというのだ。 
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