レーヴァティン
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第二百四十話 運河の街でその十四
「使っていくな」
「そうしますね」
「そのうえで彼等を攻めていき」
「最低限の損害で迅速に進んでいきますね」
「そうしていきますね」
「ああ、だからいい考えがあったらな」
将軍達や提督達に話した。
「言ってくれ、幕僚達にも言うからな」
「頭を使い」
「そして知恵や知識を出して欲しい」
「そうして欲しいですね」
「彼等にも」
「ああ、本当に楽に勝てればな」
そうなればというのだ。
「最善だからな」
「左様ですね」
「戦うなら楽に勝つ」
「最低限の犠牲で以て出来る限り迅速に」
「そうして勝つべきですね」
「百戦百勝なんて求めないさ」
これはというのだ。
「全くな」
「戦をしても負けるかも知れない」
「それはありますね」
「どうしても」
「破れる可能性はありますね」
「九割九分九厘勝って言われてもな」
それでもというのだ。
「あと一厘あるだろ」
「破れる可能性はある」
「常にですね」
「こちらが油断して敵の奇襲が成功すれば」
「そして敵に運が向けば」
「勝つからな」
敵から見てその一厘が適うというのだ、ただし乾坤一擲の様で実は用意周到に情報を集め分析し準備を整えたうえでの勝利が大抵だ。
「だからだよ」
「戦はすべきでないですね」
「それは出来るだけせず」
「それよりもですね」
「戦をするならですね」
「ああ、まず数を揃えてな」
そのうえでというのだ。
「頭もだよ」
「それも使いますね」
「数に奢らず」
「使えるものは全て使い」
「そして勝ちますね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「幕僚達にも言うな」
「そうしてですね」
「知恵を出してもらい」
「知識もそうしてもらい」
「全て使い」
「楽に勝つ様にしますね」
「そうだよ、それでまだ戦わずに済むなら」
そうした相手がいればというのだ。
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