タイトル案は第一話に記載しています。
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作戦会議-Second-
ーガイネス戦役 対四天王戦ー
【アルフレート視点】
(この一撃で、お前を殺す...!!)
戦いは最終局面。バルタザール大佐が抉り飛ばした最後の魔弾、それを構成していた魔族に張り付き、機を伺っていた。
そして、時は来る。今まさに、俺はデッドライダーの真上やや後方にいる。ここだ...!!」
すかさず、その場から飛び降り、着地と同時に首を獲ろうとする。
持てる力全てで、剣を振り下ろそうとた。
「ぐっ...!!」
しかしその一撃は阻まれた。
地面から突出してきた、棘だ。
まだこんなものを隠していたのか。
一瞬にして棘は辺りに広がり、この空間においてかなり動きずらくなる。
そして、俺は攻撃を防がれた反動で後ろへ吹っ飛んだ。
「まだ、だ...!」
剣を構え直し、力を込める。
ここまで近づけたんだ。やってやる...!!
「いいや、その必要はない」
「なっ...!?」
突如、後方から誰かが走ってきた。
「お前は...勇者か..!?}
それは、作戦会議室にいた、勇者ルードだった。
呆気に取られていると、既に戦いは終わっていた。
「敵首魁、デッドライダー討伐完了しました!!」
目の前の勇者が、そう叫んだ。
その声を聞いて、この辺り一帯の兵たちが歓声を上げ始めた。
俺は、その中で一人、ただ呆然と、勇者の背中を見ていた。
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ー軍本部ー
さて、そろそろだな。
ガイネス戦役が終わってから数日後、次の作戦会議が始まる。
それが今日だ。
さて、そろそろ作戦会議室に向かうか。
僕がそこに向かい歩いていると、偶然人と出くわした。
短髪の黒髪の青年、アルフレート少佐だ。
「...一つ質問していいかな。」
アルフレート少佐が話しかけてくる。
参ったな、今ここでこいつと話す必要なんてないんだが。
まあ、適当に答えておくか。
「...何だ?」
「どうやったら、お前みたいに強くなれるんだ?」
正直こいつは弱い。魔法が使えないのは致命的といえる。
「別に大したことはしていない。最善を尽くしてきただけだ。」
「...そうか。」
「俺はお前みたいに強くなりたいんだ。そうすれば...」
アルフレート少佐が勝手に話し始める。
「みんなを助けられるだろ。」
はぁ........
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ー軍本部 作戦会議室ー
楕円型の円卓にこの前と同じ人物が集められる。
そこにいるのは僕を含めて八名。
この中で唯一魔法の使えないアルフレート少佐。
人間爆弾の異名を持つ炎魔法の使い手、ゲルハルト少佐。
兄弟二人で少佐である兄のフランクと弟のフリッツ。
氷魔法の最高峰、ブリュンヒルト中佐。
繊細かつ過激に炎魔法を操るローゼマリー中佐。
そして、中央最奥で作戦を取り仕切る、人類最強、
風魔法の使い手、バルタザール大佐。
「では、これから会議を始めようと思うが、その前にひとつ、わかったことがある。」
最奥の席で、バルタザール大佐が話し始める。
「ガイネス戦役にて呼称デッドライダーを討伐した際、周囲の魔族が停止した。つまり、四天王を倒せば付近の魔族は無力化される可能性がある。」
前回の記憶から考えても、この仮説は正しいだろう。
そして、とにかく僕は議論を上手く誘導して犠牲を増やさなくてはならない。
「次の討伐対象は四天王No.2、呼称リントヴルムである。奴がいる場所はルガーデ峡谷。これより作戦名をルガーデ殲滅戦とする。」
そして敵の説明が始まる。
「先行調査隊の情報によると、敵は細長く、全長は約五メートル、形は顔のない蛇のようであり、そして地面から多数の個体が顔を出している。」
「活動場所のルガーデ峡谷は高く広さがある。それに、橋が架けられており、利用することが可能だ。」
「なんで魔族がいる場所に橋なんかあるんですかぁー?」
フランク少佐が手を挙げて言う。
「えぇ?兄さんそんなことも知らないの?」
「知っての通り、魔族が現在生息している土地はもともと人類がいた場所である。すなわち、人工物が残っていても不思議ではないということだ。」
大佐が説明を加える。
「以上のことを踏まえて作戦を練っていこう。現在検討されているのは、一箇所にまとまって敵を各個撃破するというものだ。」
「理由は戦場の特徴にある。峡谷の外から魔族が来ることは難しいと考えられるからだ。警戒するのは飛行型だけで十分、ということだ。」
大佐が作戦を述べる。
今回は戦場が特徴的だろう。そうだな、やはり高さを活かせるように高い場所に位置取りたい。そして、できるだけ自由に動けるように兵は散らせたいな。
「でも、四天王を倒せば周囲の魔族は無力化されるんですよね。ならとっとと倒してしまえばいいじゃないですか。」
「じゃあ、分散して一気に倒すってことか。」
ブリュンヒルト中佐の提案にローゼマリー中佐が答える。
いや、これいい流れだな。乗っかろう。
「確かに、それがいいんじゃないかな。」
「い、いや、でも、敵の強さがまだよくわからない以上、慎重にいくべきじゃないですか?」
フリッツ少佐が恐る恐る言う。なんだこいつ、邪魔するなよ。
「やっぱそうだよな!一箇所にまとまってても勢いでいけばそんなに時間かからないと思います!」
フランク少佐が乗っかる。
「ゲルハルト少佐はどうお考えで?」
大佐が尋ねる。ゲルハルト少佐は何を考えているかよくわからないが、戦闘スタイルからして慎重な性格ではないだろう。おそらくこちら側に乗ってくれるはずだ。
(いや、急に聞かれても何もわからねぇよ!よくこんな難しい話わかるよな。終始意味わからなかったわ。)
「うぅむ...」
(よし、とりあえず長い相槌で時間稼いでっと。えっと、一個前になんて言ってたっけ?)
「やはり一箇所にまとまるべきかと。」
ッ!?なんだと...?
ここはなんとかしないとまずいか。
「いえ、皆さん思い返してください。敵は橋をあえて残していたんです。」
「どういうことだ?」
アルフレート少佐が聞いてきた。
「つまり、敵は橋を利用している可能性が高いということです。なら、敵の数は時間とともに増えていってもおかしくありません。」
どうだ?結構うまくできたんじゃないか?
「ああ。確かにそうだな。」
アルフレート少佐が賛成する。
そして、
「では、今回の作戦を決定する。」
「作戦はそれぞれ分散しての早期撃破とする。以上だ。」
よし、とりあえず何とかなったようだ。
作戦会議は、その一言で終了した。
さてと、次に会うのは戦場だ。
ーお前ら全員、僕が捻り潰してやる。
Next is second war game........
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