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タイトル案は第一話に記載しています。

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戦士の日常➁

ーガイネス戦役 対四天王戦ー

突如現れた魔弾に、人類軍は次々と押し潰されていく。


「皆さん!!ここはボク達が引き受けます!!」


絶望的に見えた状況の中に現れたのは二人の小柄な兄弟だ。

確かこいつらは兄弟で少佐なんだったか。
少佐となったのはその連携能力の高さからだ。
多分、兄の方がフランク少佐だろう。
兄が氷魔法で、弟が風魔法を使う、らしい。

「兄さん!!こいつは僕が《《加速させる》》!!」

弟のフリッツ少佐が、何かを閃いたように言った。


「..!!うん、了解っ!!」

兄のフランク少佐は、何かを察したのかそう返事する。
実力から考えて、こいつの相手をするのはギリギリだと思うが。

フリッツ少佐が風魔法で魔弾に追い風を立てて速度を上げる。

「今だ!ぶっ刺せ!!!!!!!!」

「うおおおおおおおお!!!!!!!!!」

その瞬間、無数に現れた鋭利な氷の槍が高速で迫る魔弾を貫いた。
そしてそのまま崩れ去るように魔弾は崩壊した。

「やった!一匹仕留めた!!!」

へぇ、考えたな。まあ、精々足掻けよ、誤差の範疇でな。

勇者は離れた位置から、嘲るような視線で眺めていた。


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ーガイネス戦役 作戦会議ー

「うぅむ。」

筋骨隆々の男、ゲルハルト少佐が何に納得したのか知らないが感嘆の声を漏らす。

(こいつは常に深く考えているように見える。注意しておくべき、か)



ーガイネス戦役 対四天王戦ー

五つの魔弾がデッドライダーの周囲を回転し、そのうちの一つが繰り出される。

それに相対するのはゲルハルト少佐だ。

頑強な肉体を身構えるゲルハルト少佐、だが前方に在るのは極大の魔弾だ。

ゲルハルト少佐は火力だけなら炎魔法でトップレベルだ。しかし四天王の切り札を敗れる程だろうか。

「ファイア......タッチィ!!!!!!!!」

魔弾が少佐に激突する。だが間一髪のところで少佐が食い止める。
これはやや少佐が押されているな。後退っている。

「ぬうぅぅ................」

今は手元の炎でなんとか持ちこたえている状態だ。
潰されるのも時間の問題だろう。

いや、違う、足元に何倍もの炎が収束している。これは。。。

少佐が足を思い切り踏み込み、瞬間、足元が爆発する。
そして空中へ吹っ飛び、頭から魔弾へ落下する。

「ファイア.....ボムゥゥ!!!!!!!!!!」

凄まじい熱量が魔弾へと直撃し、木端微塵に崩壊する。
だが、流石に堪えたのか、少佐はもう限界といったところだろう。

(ったく、派手に潰しやがって。面倒だな)

遠くから、勇者は、邪魔な障害物を見るような目で眺めていた。

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↓【ゲルハルト視点】↓

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ここは軍本部の広場、そして向かい合うのは木刀を構えたフランク少佐だ。
訳あって木刀で模擬選的なアレをすることになったのだ。なんで?
いや、フランク少佐と廊下ですれ違ったらいきなり「バトルしよーぜ!」とか言いだして、流れでこうなった。

「何で、いきなり、戦うんだよっ。」

木刀をなんとか躱しながら尋ねる。

「だって、一番強そうな見た目してるから!」

そう言って勢いよく木刀を突き出してきた。

「うわあぁっ!?あっぶねっ!!!???」

慌ててひっくり返りそうになるのを堪える。

そうだ。俺にはこの鍛えた肉体がある。
ろくに学問ができなかったので渋々軍人になることを決意したものの、マジで怖くて仕方がない。特にこの前のやつはヤバかった。でかい球みたいなのに押し潰されかけてなんとか耐えた。死にたくなくて鍛えていたら、いつの間にか随一の筋肉が付いていた。そうだ、こんなときのために鍛えてきたんだ。いや違うか。まあいい、いくぜ!

「おらああ!!!!」

右腕の筋肉を全力で使って突き出された木刀を薙ぎ払う。

「わああ!!?」

一瞬フランク少佐が後ろに吹っ飛んだ。

「やるね。」

フランク少佐が元の位置で構え、笑って言った。

「ちょっと兄さん、やっぱりやめようよ。」

横から見ていたフリッツ少佐が不安そうな声を出す。

「別にこれくらいいいだろ?そうだ、お前も来いよ。二人掛かりでちょうどじゃないか。」

「まったく、しょうがないなぁ。」

そう言ってすでに木刀を持っていたフリッツ少佐が参戦する。

(こいつ最初から混ざる気だったんじゃないのかよ。ていうか二人は厳しいんだけど。)

「いくぜフリッツ!!お前は左からだ!!」

「うん!!!!」

二人同時に攻めてきた。これはまずいぞ、だって剣術なんて大して身に付けてないし。

「おらああああああああ!!!」

とにかく気合で剣を横に振る。
それが偶然斬りかかってきていたフランク少佐の剣にヒットし弾き飛ばす。

「うわあいってぇええ!!!!!」

「いや別に痛くはねぇだろ。」

思わずツッコんでしまった。不覚である。

「今だ!!隙あり!!!!!!」

倒れていたフランク少佐が叫ぶ。

慌てて振り向くとフリッツ少佐が全力で斬りかかりにきていた。
あー、これは避けられない。
そしてフリッツ少佐の大振りを思い切り肩に喰らった、が。

「あれ...?」

フリッツ少佐が驚いたような声を出す。

いや、まったく痛くない。ひょっとして、

「え?弱くね?」

思わず口に出してしまう。

「そんなばかなぁ。」

フリッツ少佐が間抜けた声を出す。

そんな調子で、日が暮れるまで戦いに明け暮れた。


長く遊んだ疲れを取るために三人でコーヒーを飲むことになった。

「ていうか、ゲルハルトは寡黙なイメージだったんだけどな。」

フランクが不思議そうに言った。

「確かに、作戦開始のときも相槌しかろくに喋ってなかったもんね。」

いや、だって、作戦会議とか何話してるかさっぱりわからんからな。
なんか俺は見た目のせいか周囲から豪傑みたく思われており、今更頭が悪いのはバレたくないんだよな。

そうしてコーヒーを口にする。


「おいゲルハルト、砂糖入れすぎだろ。」

フランクが野次を飛ばしてくる。

「いや、付いてるんだから使ったほうが得だろ。」

普通に苦いだけだが、見栄を張った。

「ていうかフリッツはミルクじゃねぇか。」

「こいつは背が低いからいいんだよ。」

「いや、兄さんとそう変わらないと思うけど...」

「あ、そういえば」

フランクが何かを思い出したように声を上げる。

「ゲルハルトの技の名前、何か変じゃなかった?」

「あ、そうそう。ボクも思ってたよ。何か、ダサくなかった?」

 いやいや、まったく遺憾だな。
 あれのどこがダサいんだよ。

「ほら、なんだっけ??『ファイア...タッチ』だっけ?」

「うっわ、それはなかなかだね」

二人して失礼なことを言う。
いや、こんなのファイアってついてたらいいだろ。

「そうだ!何かカッコいいの考えようぜ!必殺技にしよう!」

「いいね、乗った!!」

まったく、しょうがねぇなぁ....

「わかったよ、じゃあまず単語の一つ目は.....」

三人で集まり、必殺技の名称を思案する。



それから次の四天王討伐作戦が始まるのはまもなくのことであった。





This is a short rest.......







 
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