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レーヴァティン

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第二百四十話 運河の街でその七

「冷たい水風呂に入って」
「身体を一旦冷やして」
「それからまたな」
「サウナに入られますね」
「俺はまあ二回だな」
 サウナに入るのはというのだ。
「それで後は湯舟にな」
「入られてですね」
「温まるな、けれどここだとな」
「湯舟は術で保温していないとです」
「すぐに冷えるな」
「この寒さですから」
 その為にというのだ。
「この街は全土が温泉が出ているのでそれが使えてです」
「そんなに冷えなくてもか」
「温泉があろうとも外は寒いので」 
 気温自体がそうであってというのだ。
「お湯はです」
「冷えやすいか」
「泉から出して湯舟だけにしますと」
「そこが問題なんだな」
「はい、ですがこの宮殿のお湯はです」
 料理人はこちらの話もした。
「源泉からお湯を引いていますので」
「冷えないか」
「そこはご安心下さい」
「そうさせてもらうな」
「そして寒いので」
 料理人はさらに話した。
「髭を生やす者もです」
「いるな」
「帝国では髭を生やす風習はありませんが」
 だから男でも大帝の者は剃っている、これは久志達も同じで彼にしても髭を毎日剃っていて顎も口の下も頬もつるりとしている。
「バイキング達はです」
「あいつ等皆生やしてるな」
「濃いですね」
「それで体毛自体がな」
「左様ですね」
「俺達よりずっとな、まあこの浮島の人間はな」
 彼等自体がというのだ。
「白人でな」
「東の浮島の人間は肌が黄色いですね」
「それであっちの人間は体毛が薄いな」 
 白人に比べてというのだ。
「俺も人種はあっちだからな」
「体毛が薄いですね」
「それでこの浮島の人間はな」
「体毛が濃く」
「髭もな」 
 これもというのだ。
「濃いな、それでな」
「バイキング達は皆その濃い髭をです」
「剃らないでな」
「たくわえています」
 それこそ顔の下半分をそうしている。
「それも寒さに対する為です」
「寒いとな」
「髭も生やします」
「そうだよな、そして自然にな」
 久志はウォッカを飲みチーズとパンも口にした、肉はもう食べ終えて次はデザートを待っている。その間に飲んでそうしたものを食べているのだ。 
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