モンスターハンター 寒冷群島の紅き鬼狩り
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第五話 久しぶりのパーティー 後編
ゲリョスに挑む前に、一旦休憩をとることにした。武器の手入れをしたりして準備を整えるのだ。
各人が回復薬の補充をしたり研石で武器を研いだり肉か団子を食べたりして過ごす。
そんな中、ドラコがポツリと話し始めた。
「実はよ、俺訓練生の時にクリスに告白したんだ。玉砕したけど」
突然のカミングアウトにシンとレマは同時に大声をだす。
「は!?告白した!?そんなん初耳やで!?」
「そうっスよ!?クリスさんから「告白されたけど断った」とは聞いたんスけどまさかドラコさんが!?」
クリスティアーネが頷く。
「.....ドラコ様は、私に告白しようと決意した際、心に迷いのようなものがあったそうです。」
訓練生時代のある時、ドラコが著しく不調だった時があった。
訓練に支障をきたすほどボーっとしてたこともあった。
ドラコは、幼馴染のイヴのことを想い続けてはいた。しかし訓練所で出会ったクリスティアーネに一目惚れしてしまったのだ。
だが、クリスティアーネは早くハンターになるべく修行に励んでいる。そんな彼女を邪魔していいのだろうかと。そして、中途半端な気持ちではクリスティアーネにも、イヴにも迷惑がかかるのではないかと考えた。
そこでドラコは思い切って告白してみることにした。
「出会った時に一目惚れした。モンスターから人々を守るクリスティアーネを、俺に守らせてくれ」
クリスティアーネから帰ってきた、告白への返事はNOだった。
「ごめんなさい、ドラコ様の想いには答えられません」
答えを聞いたドラコは「これで俺のモヤモヤはすっかり解消された。ありがとう」と答え、これからも"仲間"としてよろしく頼む」と握手を求めた。クリスティアーネは笑顔で握手に応じた。
・・・・
「.....そんなことがあったんスね...」
「そーいやメッチャボケーッとしてて教官に叱られてた時期があったなぁ....あの時か」
「そうなんだよね....」
「.....断ってしまった時、ドラコ様を傷つけてしまったのかと思いましたが、その真逆の反応を示してくるとは思いませんでした....」
「クリスには、俺なんかより相応しいやつがいるだろ?」
「....」///
クリスティアーネは一人の男の顔を思い浮かべてほんのりと顔を赤くした....
「....雑談はここまでにしよう、ゲリョスと決着つけなきゃな」
ドラコは思い出した様子で話を中断した。
「せやな....長話してる場合ちゃうかった」
「....ごめんな、長話につき合わせて」
「いいッスよ。それに、訓練生の時に「クリスさんに告白した相手」が同期女子の間で話題になってた時期があって....真相が分かってよかったっス」
「ドラコ様、この狩猟を終わらせて、訓練生の思い出を沢山お話しましょう」
「おう!」
そしてゲリョスの元へ向かおうとした時。
『ギュワア!?』
『ギャオオオオオオオオォォォ!』(ガブッ!)
ゲリョスが悲鳴をあげていた。何者かに襲われたらしい。
『ギュワアァァ~.....』
その声を最期に、ゲリョスの声は消え、代わりにグチャ、グチャと何かを噛みちぎるような音が聞こえた。
駆けつけると、ゲリョスは既に何者かに倒されていた。
「えっ.....」
「ゲリョスが死んどる!?」
ゲリョスはリオレイアに捕食されていた。しかし、体格は一回り大きく、所々紫がかった体色、赤く光る傷跡が頭から尻尾にかけて刻まれている、と言う特徴を持っている。
「な、なんですか!?このリオレイアは」
「ただのリオレイアやない.....?」
「普通のレイアの2倍....10倍怖いっす!?」
「とんでもねぇバケモノに出会っちまったな」
リオレイアは新たな獲物....ドラコ達を見つけると、
『ギャオオオオオオオオオオオオォォォン!』
と雄叫びをあげた。
後書き
・・・・・
ゲリョスを食い殺した謎のリオレイア。
その猛毒が毒対策をしてきたはずのドラコを蝕む。
次回 モンスターハンター ~寒冷群島の紅き鬼狩り~
『鬼狩り穿つ猛毒姫』
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