ドリトル先生とめでたい幽霊
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第六幕その五
「大阪も焼野原になったからね」
「それ神戸もなんだよね」
「大阪も神戸もかなり空襲でやられたね」
「東京は特に酷くて」
「もう何もなくなったね」
「それで結構後になっても不発弾が発見されたんだ」
大阪ではというのです。
「昭和五十年代後半にもなってね」
「戦争が終わって三十年以上経っても」
「それでもなんだ」
「不発弾発見されていたんだ」
「そうだったのね」
「大阪城の周りがかなりの空襲を受けたのは話したね」
このことはというのです。
「そうしたね」
「うん、天守閣だけだったね」
「天守閣だけが残ったけれど」
「周りはもう瓦礫の山で」
「天守閣は奇跡的に残ったね」
「激しい空襲を受けたから」
それでというのです。
「もうね」
「不発弾もよく見付かったんだ」
「それもずっと後になっても」
「そうだったんだね」
「それで環状線も止まったりしたよ」
大阪の中心を走るこちらもというのです。
「線路の下に見付かったりして」
「それで難波もなんだ」
「この辺りも空襲でかなり酷いことになったんだ」
「焼野原になったんだね」
「そうだったんだ、もう大阪中がね」
それこそというのです。
「東京と一緒でね」
「焼野原で」
「もう何もなくなって」
「それでなんだ」
「そこから建て直したから」
「当時と今じゃ大阪も違うのね」
「そうなんだ、まあ大阪は台風が多いから」
今度は災害のお話でした。
「常に建物や橋が壊れてね」
「なおしていて」
「その都度変わっていたんだ」
「そうでもあったんだ」
「うん、くいだおれというけれど」
先生はこの言葉も出しました。
「食い倒れという場合と杭倒れという場合があるんだ」
「杭倒れ?」
「食い倒れじゃなくて」
「何で杭なの?」
「どういうこと?」
「建物をなおす時に杭を使うね」
先生は自分のお話に首を傾げさせた皆にお話しました。
「そうだね、昔の大坂は橋が壊れたらお金持ちの人がお金を出してなおしていたんだ」
「台風で橋が壊れたりしたら」
「そうしていたんだ」
「大坂は町人の街だから」
「お金持ちの人がそうしていたんだ」
「豪商の人がね、けれど橋をなおすのにもお金がかかるから」
だからだというのです。
「それでお金がなくなる人が多かったからだよ」
「それで杭倒れ」
「そう言うんだ」
「食い倒れと違って」
「そうだよ、それで台風が多かったから」
ここでお話を戻すのでした。
「それでね」
「よく建物や橋が壊れて」
「なおしていって」
「その都度変わっていたんだ」
「大阪の街は」
「そうだよ、だから空襲がなくても」
それでもというのです。
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