ハッピークローバー

「女の子ならって」
「ええ、言ったわよ」
　かな恵自身その通りだと答えた。
「私もね」
「つまり私達も」
「いや、例えだから」
「例えなの」
「明男とそんなことするよりはね」
「まだなのね」
「女の子との方がね」
「いいの」
「それはギリギリでね」
「まだいいの」
「あくまでギリギリだけれど」
　それでもというのだ。
「好きになったらね」
「そうしたことも出来るの」
「まだね」
「そうなのね」
「そう、ただね」
　かな恵はさらに話した。
「私としてはやっぱり男の子よ」
「女の子よりも」
「女の子は友達って思えても」
「恋人としてはなのね」
「思えないわ」
　そうだというのだ。
「やっぱりね」
「そうなのね」
「そこはもうね」
「変わらないのね」
「ただギリギリだから」
「女の子とは」
「出来ないこともないわ」
　こう言うのだった。
「まだね」
「私とも？」
「富美子ちゃんと？」
「そうしたこと出来るの？」
「それはないわ、ここにいる皆はお友達でね」　
　そうした間柄でというのだ。
「そうしたことはね」
「しないのね」
「絶対にね」　
　こう言うのだった。
「絶対にね」
「まあそれならいいけれど」
「ええ、しかしそうした漫画読んで驚いたわ」
「姉と弟は」
「そうした漫画もあるって」
「ええ、実際にあるのかしらね」　
　そうしたことがとだ、かな恵は真剣に考える顔で言った。
「どうなのかしら」
「いや、考えないでおきましょう」
　一華はこう言ってかな恵を止めた。
「流石にね」
「よくない考え？」
「やっぱりね」
「そうなのね」
「というか滅茶苦茶気持ち悪いでしょ」
「だから今言ってるのよ」
「そうよね」
　かな恵のその言葉に頷いた。
「やっぱり」
「ええ、けれどなのね」
「そんなことはね」
「考えない方がいいわね」
「明男君がかな恵を覗いたりしてる？」
「お風呂の時とか着替えとか？」
「その時ね」
「ないわね、というか洗濯ものしまう時も」
　その時もというのだ。
「別にね」
「何でもない感じでしょ」
「下着がなくなることもないし」
　こうしたこともというのだ。