イベリス
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第四十話 〆切りその七
「自然の場所がね」
「好きなのね」
「公園もよく行くしね」
「そうなのね」
「そうよ、東京にいても」
「ここから離れられなくても」
「大丈夫なのよ、だから埼玉に行くことも」
問題となっているこのこともというのだ。
「もうね」
「大丈夫ね」
「そうよ」
咲に笑って話した。
「お父さんもね」
「なら大丈夫ね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「踏ん切りつくまでね」
それまでとだ、母は溜息をついて言った。
「ずっと飲んでたわね」
「お家でもね」
「ウイスキー飲んで」
家ではというのだ。
「どうなるかって思ったわ」
「お母さんも」
「お父さん酒乱じゃないけれど」
「それでもかなり飲んでたわね」
「飲み過ぎはよくないから」
この常識を言うのだった。
「だからね」
「どうかって思ってたのね」
「そうだったわ、身体を壊したら」
そうなったらというのだ。
「よくないからね」
「お酒も身体壊すからね」
「そうよ、お酒は敵だともね」
その様にというのだ。
「言われる位にね」
「やっぱり危ないわね」
「飲み過ぎたらね」
「だからよね」
「お母さんも心配だったわ」
「このままいったら」
「少しだけれどね」
それでもというのだ。
「そう思ってたわ」
「じゃあお父さんが落ち着いてお母さんもよかったと思ってるのね」
「ええ」
その通りだとだ、母は咲に答えた。
「そうね、けれど所沢も都会だし」
「大丈夫ね、お父さんも」
「電車も多いしお店も沢山あるし」
「大丈夫ね」
「そうよ、ただお父さんヤクルト一筋だから」
「西武は応援しないわね」
「パリーグには興味ないから」
だからだというのだ。
「西武はね」
「興味を持たないわ」
「西武ドームにも行かないわね」
「そうだと思うわ」
「そうなのね、私は別に元々埼玉に偏見ないし」
それでとだ、咲は母に話した。
「別にね」
「西武ドームにも行けるわね」
「コンサートとかがあったら」
好きなアーティストのというのだ。
「行けるわ」
「咲はそうね」
「ええ、ただ私も西武はね」
「興味ないのね」
「私もヤクルト一筋だから」
それでというのだ。
「別にね」
「西武には興味がないのね」
「好きでも嫌いでもないわ」
そうだというのだ。
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