遊戯王GX ~水と氷の交響曲~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
ターン9 迅雷!無限の電極骨を撃つ!
「カイザー、かぁ」
あのデュエルから、もう一週間たった。でも、いまだに心に引っ掛かるものがあるんだよねえ。
「結局あの時も唯一ダメージ与えたのは十代のフレイム・ウィングマンだったし…………ハァ」
僕はどうだったかっていうと、手も足も出なかったからなぁ。まだまだ、ってことなんだろうか。そんなことを考えながら、たった今十代&翔の制裁デュエルの真っ最中であろうデュエルアカデミアの方をちらりと見る。ユーノも隼人も観戦しに行っちゃったし、僕は明日に控えてるから今日一日は校舎への立ち入りが禁止されてるし。夢想は今どこにいるかわかんないし。なんでも相手の情報を事前に知るのを防ぐためらしい。ユーノ行っちゃったけど。まあいっか。
「う~ん、デッキ調整でもしよっかな」
こう呟くのも、もう8回目くらい。何回も何回も見直して、特に問題もないことはわかりきってる。正直タッグ用の調整もした方がいいと思うんだけど、ユーノも相方もやらなくていいって言うし、第一下手にいじくって失敗するのも馬鹿らしい、というかシャレにならない。そういえば相方と言えば、昨日はなかなか驚いたっけ。そう、あれは昨夜のこと…………。
「というわけで、河風君。もともとこれはデュエルの話、デュエルで決めようじゃないか」
「望むところだよ、だってさ」
『おーやってるやってる。間に合ってよかったぜ』
「三沢ー、夢想ー、どっちも頑張れよー!」
「またアニキはそんな呑気なこと言って…………僕らのテストはもう明日なんっスよ!?大丈夫なんスか?」
「翔は心配性だな。俺らなら絶対勝てるって!」
「僕のせいで………申し訳ないなー」
『ああ、お前は本気で反省してろ。山よりも高く海よりも深く反省してろ』
「うぅ………」
『泣きたいのはこっちだ馬鹿。とっくに決めといたんだろうと思って聞かなかった俺も一ミクロンぐらいは悪いのかもしれんが、なんでまだこの時期になって相方一人決められてねーんだよ』
「いや、その…………すいません」
『俺に謝ってどーするお前は。むしろこんな時期からでも付き合ってくれる三沢と夢想に対して謝ってこい』
ちなみに明日香はブルー寮でどうしても抜けられない晩餐会とやらがあるらしい。じゃあなんで夢想は来れたんだろうと思って聞いてみたら『逃げてきちゃった、なんだってさ♪』ってすんごいいい笑顔で言い切られた。ありがたいことはありがたいんだけど、多分あの表情を見るに単に面倒だからこっちに来た、ってのも理由の一つなんだろうなぁ。
まあそうこう僕らが言ってる間に、三沢と夢想のデュエルが始まったわけで。そういえば、三沢のデッキって何なんだろう?まだ見た覚えがないんだけど。
「まずデュエルを始める前に、今回の俺のデッキについて一言言わせてもらおうか」
「今回の?どういう意味、って聞きたいんだってさ」
「俺は常に各属性一つずつ、計6種類のデッキを携帯している…………そして今回使うのはこれ、光のデッキだ!」
「三沢、どうして光なんだ?」
「このデッキは最近作ったばかりでな、一度調整もしてみたかったんだ」
「あー、なるほど」
「では、行くぞ!」
「「デュエル!」」
「先攻は私、ドロー!スカル・コンダクターを手札から捨てて、効果発動!もう一体のスカル・コンダクターに、ワイト夫人を特殊召喚するんだってさ」
指揮棒を持った顔色の悪いおっさんの亡霊が現れ、指揮棒を巧みに振りまわして二つの魔法陣を作り出す。その魔法陣からは、それぞれ違ったモンスターが現れた。ひとつはボロボロのドレスに身を包むガイコツ、もう一つは服の色がちょっと違うけど、顔もシルエットもそっくりな指揮者その2。
スカル・コンダクター
効果モンスター
星4/闇属性/アンデット族/攻2000/守 0
このカードがフィールド上に表側表示で存在する場合、
バトルフェイズ終了時にこのカードを破壊する。
また、手札からこのカードを墓地へ送る事で、
攻撃力の合計が2000になるように
手札からアンデット族モンスターを2体まで特殊召喚する。
スカル・コンダクター 攻2000
ワイト夫人
効果モンスター
星3/闇属性/アンデット族/攻 0/守2200
このカードのカード名は、墓地に存在する限り「ワイト」として扱う。
また、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
「ワイト夫人」以外のフィールド上のレベル3以下の
アンデット族モンスターは戦闘では破壊されず、魔法・罠カードの効果も受けない。
ワイト夫人 守2200
「さらに、スカル・コンダクターをリリースして龍骨鬼を召喚、だってさ」
龍骨鬼
効果モンスター
星6/闇属性/アンデット族/攻2400/守2000
このカードと戦闘を行ったモンスターが戦士族・魔法使い族の場合、
ダメージステップ終了時にそのモンスターを破壊する。
龍骨鬼 攻2400
「カードを一枚セットして、ターンエンドだって」
『いきなり飛ばすねえ。こりゃ三沢も大変だ』
「でも、三沢むしろ笑ってるよ?」
『そりゃそうだろ。強い相手と戦うのは面白いもんさ、だろ?』
「まあね」
「俺のターン、ドロー!手札のサンダー・ドラゴンを捨てて効果発動、デッキにいるサンダー・ドラゴンを二枚手札に加える。そして魔法カード、融合!今手札に加えたサンダー・ドラゴン二体を融合して、双頭の雷龍を召喚!」
サンダー・ドラゴン
効果モンスター
星5/光属性/雷族/攻1600/守1500
自分のメインフェイズ時に、このカードを手札から捨てて発動する。
自分のデッキから「サンダー・ドラゴン」を2体まで手札に加える。
融合
通常魔法
手札・自分フィールド上から、融合モンスターカードによって決められた
融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を
エクストラデッキから特殊召喚する。
双頭の雷龍
融合モンスター
星7/光属性/雷族/攻2800/守2100
「サンダー・ドラゴン」+「サンダー・ドラゴン」
双頭の雷龍 攻2800
「そして手札から、電池メン-単一型を通常召喚する」
電池メン-単一型
効果モンスター
星1/光属性/雷族/攻 0/守1900
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、
相手は自分フィールド上に存在する「電池メン-単一型」以外の
雷族モンスターを攻撃対象に選択できない。
電池メン-単一型 守1900
『あれ、ここで単一型?…………ああなるほどね、だいたい読めた。ここで龍骨鬼を何とかする気なのか』
「さらに魔法カード、魔霧雨を発動!双頭の雷龍の攻撃力以下、つまり2800以下の守備力を持つモンスターをすべて破壊だ!」
双頭の雷龍が空に向かって咆哮を放つとどこからともなく霧が出てきて、龍骨鬼とワイト夫人を飲み込んでいく。そして、霧の中で数回稲妻が走るのがぼんやりと見えた。
魔霧雨
通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する「デーモンの召喚」
または雷族モンスター1体を選択して発動する。
相手フィールド上に表側表示で存在する、
選択したモンスターの攻撃力以下の守備力を持つモンスターを全て破壊する。
このカードを発動するターン、バトルフェイズを行う事ができない。
「私のモンスターが…………ちょっと甘く見てたかな、だってさ」
「お褒めに預かり光栄だな。残念ながら魔霧雨のデメリット効果で俺はバトルフェイズを行えない、カードを一枚伏せてターンエンドだ」
夢想 LP4000 手札:1 モンスター:0 魔法・罠:1(伏せ)
三沢 LP4000 手札:0 モンスター:双頭の雷龍(攻)、電池メン-単一型(守) 魔法・罠:1(伏せ)
「今のところ、三沢が押してるみたいだね」
『まあそうだな。どっちが先に動くか?』
「私のターン、ドロー!…………一時休戦を発動して、カードカー・Dを召喚!何かある?だって」
「カードカー…………いや、いいだろう。ここは通す!」
「だったら効果により、リリースして二枚ドローしてターンエンド」
一時休戦
通常魔法
お互いに自分のデッキからカードを1枚ドローする。
次の相手ターン終了時まで、お互いが受ける全てのダメージは0になる。
カードカー・D
効果モンスター
星2/地属性/機械族/攻 800/守 400
このカードは特殊召喚できない。
このカードが召喚に成功した自分のメインフェイズ1に
このカードをリリースして発動できる。
デッキからカードを2枚ドローし、このターンのエンドフェイズになる。
この効果を発動するターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。
「カーDか。意外だね、ガイコツ以外のカードも入ってたんだ」
いやまあ、当たり前の事なんだけども。
「問題ないんだ、って言ってるよ。カー・DのDはドクロのDだもん!だってさ」
「え、マジなのそれ?」
『んなわけねえだろ』
「あ、やっぱり」
「待った、エンドフェイズにトラップ発動だ。サンダー・ブレイクでそのセットカードを破壊する!」
サンダー・ブレイク
通常罠
手札を1枚捨て、フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。
選択したカードを破壊する。
「あっ、私のミラーフォースが!………改めてターンエンド、だってさ」
『やっぱミラーフォースか。相変わらず働かない奴だな』
「俺のターン、ドロー!カードを二枚セットしてターンエンドだ」
夢想 LP4000 手札:2 モンスター:0 魔法・罠:0
三沢 LP4000 手札:0 モンスター:双頭の雷龍(攻)、電池メン-単一型(守) 魔法・罠:2(伏せ)
「私のターン、ドロー!カップ・オブ・エースを発動………お願い、コイン!表、出てきて!」
そう言いながら天高く打ち上げられたコインはくるくると回転しながら落ちてきて、夢想の手の甲の上に。出たのは…………表!
カップ・オブ・エース
通常魔法
コイントスを1回行う。
表が出た場合、自分はデッキからカードを2枚ドローする。
裏が出た場合、相手はデッキからカードを2枚ドローする。
「それじゃ遠慮なく、二枚ドローするんだって。それからモンスターを一体セットして、魔法カード発動、強制転移!私はこのセットモンスターを選択するけど、あなたは?」
「何?…………いいだろう、俺は電池メン-単一型を選択する」
強制転移
通常魔法
お互いはそれぞれ自分フィールド上のモンスター1体を選び、
そのモンスターのコントロールを入れ替える。
そのモンスターはこのターン表示形式を変更できない。
「なら私は、二重召喚を発動してマッド・デーモンを召喚。セットモンスターに攻撃、ボーン・スプラッシュ!」
二重召喚
通常魔法
このターン自分は通常召喚を2回まで行う事ができる。
マッド・デーモン
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1800/守 0
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
フィールド上に表側攻撃表示で存在するこのカードが攻撃対象に選択された時、
このカードの表示形式を守備表示にする。
声を受けたおどろおどろしい悪魔が自分の腹にある頭蓋骨をかみ砕き、それをセットモンスターめがけて吹き付けた。そしてあっさり破壊されるセットモンスター。だが、なぜか破壊された後に三つの骨が夢想のフィールドに飛び込んできて、そのままモンスターゾーンに居座ってしまった。
マッド・デーモン 攻1800→???(破壊)
三沢 LP4000→2500
「まさか、今のカードは!」
『なるほど、そういうことかっ!』
三沢もユーノも何か気づいたみたいだけど、誰か僕にも今何が起こったのか教えてください。
『よーするにだな、あのセットモンスターはチュウボーンで…………』
「なるほど、見事だ河風君。チュウボーンのデメリットとしての色合いが強い効果を逆手に取り、自分フィールドにトークンを出したか」
『さらにステータスの低いチュウボーンを貫通もちで、しかも双頭の雷龍からの反撃もノーダメージで受け流せるマッド・デーモンでの攻撃。こいつは面白くなってきたな』
チュウボーン
効果モンスター
星3/地属性/アンデット族/攻 300/守 300
リバース:相手フィールド上に「チュウボーンJr.トークン」
(アンデット族・地・星1・攻100/守300)3体を守備表示で特殊召喚する。
チュウボーンJr.トークン×3 守300
「私は、これでターンエンド」
「ならば俺のターン、ドロー!」
「さっきのターンで一気に巻き返してきたよね」
『ああ、このターンは一体何が起きるかねぇ』
「マジックカード、死者蘇生を発動!俺の墓地から、さっきのサンダー・ブレイクで捨てた電池メン-単三型を特殊召喚する。更にリバースカードオープン、地獄の暴走召喚を発動!俺は単三型を選択して、デッキからもう二体を特殊召喚する」
「私は、何もできないね。チュウボーンJrはトークンだし、マッド・デーモンも一枚しか入ってない。単一型だって、そもそも私のデッキに入ってないもん。ほら、デュエルディスクも異常なしって言ってるよ?」
そう言って掲げた腕のデュエルディスクを見れば、確かに不正なしを示している。
死者蘇生
通常魔法(制限カード)
自分または相手の墓地のモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。
電池メン-単三型
効果モンスター
星3/光属性/雷族/攻 0/守 0
自分フィールド上の「電池メン-単三型」が全て攻撃表示だった場合、
「電池メン-単三型」1体につきこのカードの攻撃力は1000ポイントアップする。
自分フィールド上の「電池メン-単三型」が全て守備表示だった場合、
「電池メン-単三型」1体につきこのカードの守備力は1000ポイントアップする。
地獄の暴走召喚
速攻魔法
相手フィールド上に表側表示でモンスターが存在し、自分フィールド上に
攻撃力1500以下のモンスター1体が特殊召喚に成功した時に発動する事ができる。
その特殊召喚したモンスターと同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から
全て攻撃表示で特殊召喚する。
相手は相手自身のフィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、
そのモンスターと同名モンスターを相手自身の手札・デッキ・墓地から全て特殊召喚する。
電池メン-単三型×3 攻3000
「バトル、俺のモンスターは返してもらうぞ!一体目の単三型で、単一型を攻撃!バッテリースパーク・3!」
電池メン-単三型 攻3000→電池メン-単一型 守1900(破壊)
「そしてトラップカード、奇跡の軌跡を発動!今攻撃を行った単三型を対象にする!」
「…………一枚ドロー、だってさ」
奇跡の軌跡
通常罠
自分フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
相手はデッキからカードを1枚ドローする。
このターンのエンドフェイズ時まで、
選択したモンスターの攻撃力は1000ポイントアップし、
1度のバトルフェイズ中に2回までモンスターに攻撃する事ができる。
そのモンスターが戦闘を行う場合、
相手プレイヤーが受ける戦闘ダメージは0になる。
電池メン-単三型 攻3000→4000
「もう一度攻撃だ、単三型!マッド・デーモンに、バッテリースパーク・3-2!」
「でもマッド・デーモンの効果で、デーモンは守備表示になるよ」
マッド・デーモン 攻1800→守0
電池メン-単三型 攻4000→マッド・デーモン 守0(破壊)
「二本目の電池メン-単三型で、チュウボーンJr.トークンを攻撃!バッテリースパーク・3-3!」
電池メン-単三型 攻3000→チュウボーンJr.トークン 守300(破壊)
「続いて三本目!バッテリースパーク・3-4!」
電池メン-単三型 攻3000→チュウボーンJr.トークン 守300(破壊)
「双頭の雷龍も、チュウボーンJr.トークンを攻撃!」
双頭の雷龍 攻2800→ チュウボーンJr.トークン 守300(破壊)
「ダメージは無いが、まあしょうがない。ターンエンドだ」
夢想 LP4000 手札:1 モンスター:0 魔法・罠:0
三沢 LP2500 手札:0 モンスター:双頭の雷龍(攻)、電池メン-単三型(攻)、電池メン-単三型(攻)、電池メン-単三型(攻) 魔法・罠:0
「私のターン、ドローして………来た!これが私の、無敵の切り札!ワイトキングを召喚!」
「何!?」
「え、ここでワイトキング!?」
『一体何しようとしてるんだ?ま、何かしら考えてるんだろうけど』
低攻撃力とは思えないほど圧倒的なカリスマと威圧感をたたえたガイコツの王が、大地を割って地の底から現れる。でも、今墓地にいるのはワイト夫人一枚だけ………!
ワイトキング
効果モンスター
星1/闇属性/アンデット族/攻 ?/守 0
このカードの元々の攻撃力は、自分の墓地に存在する「ワイトキング」
「ワイト」の数×1000ポイントの数値になる。
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
自分の墓地の「ワイトキング」または「ワイト」1体を
ゲームから除外する事で、このカードを特殊召喚する。
ワイトキング 攻0→1000
「カードを一枚セットして、ターンエンドなんだって」
「一体何を………いや、考えても仕方ないか。ドロー!カードを一枚セットする」
「それで、どうするの?私のエースに攻撃するの?だってさ」
「くっ、俺は…………」
『いい心理フェイズだな。さあどうする三沢』
「…………俺は、攻撃をする!行け、単三型!バッテリースパーク・3!」
「トラップ発動、針虫の巣窟!私のデッキの上から、カードを5枚墓地に!」
針虫の巣窟
通常罠
自分のデッキの上からカードを5枚墓地へ送る。
「なるほど、デッキの上に何枚ワイトがいるかにすべてを賭けたわけか」
「一枚目、ワイト!二枚目、ワイト!三枚目、守護神の鉾!四枚目、ワイトメア!5枚目、ワイトキング!このカードを全部墓地に送ることで、ワイトキングの攻撃力を上げるよっ!」
「「『何ぃっ!!?』」」
『………もう笑うしかねえな。ごしゅーしょー様、三沢。いや待てよ、むしろあと一枚ワイトが来なかっただけアイツ運いいのか?』
ワイト
通常モンスター
星1/闇属性/アンデット族/攻 300/守 200
どこにでも出てくるガイコツのおばけ。攻撃は弱いが集まると大変。
ワイトメア
効果モンスター
星1/闇属性/アンデット族/攻 300/守 200
このカードのカード名は、墓地に存在する限り「ワイト」として扱う。
また、このカードを手札から捨てて以下の効果から1つを選択して発動する事ができる。
●ゲームから除外されている自分の「ワイト」または「ワイトメア」1体を
選択して自分の墓地に戻す。
●ゲームから除外されている自分の「ワイト夫人」または「ワイトキング」1体を
選択してフィールド上に特殊召喚する。
守護神の鉾
装備魔法
装備モンスターの攻撃力は、お互いの墓地に存在する
装備モンスターと同名のカードの数×900ポイントアップする。
ワイトキング 攻1000→5000
電池メン-単三型 攻3000(破壊)→ワイトキング 攻5000
三沢 LP2500→500
電池メン-単三型×2 攻3000→2000
「すまない、単三型………だが勝負はまだまだこれからだっ!俺はあきらめたりしない、全てのモンスターを守備表示にしてターンエンド」
電池メン-単三型×2 攻2000→守2000
双頭の雷龍 攻2800→守2100
夢想 LP4000 手札:0 モンスター:ワイトキング(攻) 魔法・罠:0
三沢 LP500 手札:0 モンスター:双頭の雷龍(守)、電池メン-単三型(守)、電池メン-単三型(守) 魔法・罠:1(伏せ)
「私のターン、ドロー。ジャイアント・オークを召喚して、単三型を攻撃するんだって」
ジャイアント・オーク
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻2200/守 0
このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる。
次の自分のターン終了時までこのカードの表示形式は変更できない。
ぶっとい骨を握ったガチムチ系オークが、その骨を軽く振り回してから器用にブーメランよろしく投げつけた。見かけによらず器用なのね。そう思いながら見ていると、自分のところに帰ってきた骨を掴み損ねて転んで頭を打った。よって前言撤回。
ジャイアント・オーク 攻2200→電池メン-単三型 守2000(破壊)
ジャイアント・オーク 攻2200→守0
電池メン-単三型 守2000→1000
「それからワイトキングも、双頭の雷龍に攻撃して!」
ワイトキング 攻5000→双頭の雷龍 守2100(破壊)
「これでターンエンド、だってさ」
「俺のターン、ドロー!よし、やはり俺のデッキは間違っていない!墓地の電池メン-単三型を二本除外して、手札から電池メン-業務用を特殊召喚!」
もはや冷蔵庫並みのサイズになった馬鹿でかい電池が、ちょっと放電してる赤青二本のコードを振り回しながらなぜか空から降ってくる。よっぽど重いらしく、かなりの砂埃が立ち上がった。そして砂埃越しでも目立つ、ロボットのように光る両目。
電池メン-業務用
効果モンスター
星8/光属性/雷族/攻2600/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の「電池メン」と名のついたモンスター2体を
ゲームから除外した場合のみ特殊召喚できる。
1ターンに1度、自分の墓地の雷族モンスター1体をゲームから除外して発動できる。
フィールド上のモンスター1体と魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。
電池メン-業務用 攻2600
「そして効果発動!俺の墓地の電池メン-単一型を除外して、ワイトキング及び俺のセットカードを破壊する!」
「そんな、ワイトキング!」
『ま、ワイトキングの復活は戦闘破壊限定だからな。ただ、思い切ったな三沢。そいつはずいぶんと分の悪い賭けだぞ?』
「え、なんで?おかしなところでもあったっけ?」
『いや、あながちミスとも言い切れねえんだがな。まあ結局のところ、全部は夢想次第だな』
「そして俺の破壊したカード、呪われた棺の効果発動だ!もっとも君の手札は0枚、ジャイアント・オークを破壊することになるんだがな」
呪われた棺
通常罠
セットされたこのカードが破壊され墓地へ送られた時、
相手は以下の効果から1つを選択して適用する。
●自分の手札をランダムに1枚捨てる。
●自分フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する。
「うぅ………ジャイアント・オークを破壊、だって」
「今だ、業務用!単三型は守備表示のまま、ダイレクトアタック!バッテリースパーク・インダストリー!」
電池メン-業務用 攻2600→夢想 LP4000(直接攻撃)
夢想 LP4000→1400
「俺はこれでターンを終了する」
夢想 LP1400 手札:0 モンスター:0 魔法・罠:0
三沢 LP500 手札:0 モンスター:電池メン-業務用(攻)、電池メン-単三型(守) 魔法・罠:0
『はたして今のバトル、単三型で攻撃しなかったのが吉と出るか凶と出るかね』
「…………カードを一枚セットしてターンエンド、だって」
「俺のターン、ドロー!………業務用、そのままダイレクトアタック!バッテリースパーク・インダストリー!」
「まだ私も負けないよ!トラップ発動、闇よりの罠!」
「闇よりの罠だと!?だが、君が使ったトラップは針虫の巣窟くらいしか…………はっ!」
「トラップ………トラップ………あー、思い出した!」
『サンダー・ブレークで破壊されたアレ、だな。まったく、仕事しないかと思ったら最後にオイシイとこ持ってきやがって』
「1000のライフを払って、墓地のミラーフォースの効果をコピー!!」
闇よりの罠
通常罠
自分が3000ライフポイント以下の時、
1000ライフポイントを払う事で発動する。
自分の墓地に存在する通常罠カード1枚を選択する。
このカードの効果は、その通常罠カードの効果と同じになる。
その後、選択した通常罠カードをゲームから除外する。
夢想 LP1400→400
聖なるバリア-ミラーフォース-
通常罠(準制限カード)
相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールド上に攻撃表示で存在するモンスターを全て破壊する。
「くっ、確かに予想外だったが、まだまだ勝負はこれからだ!」
夢想 LP400 手札:0 モンスター:0 魔法・罠:0
三沢 LP500 手札:0 モンスター:電池メン-単三型(守) 魔法・罠:1(伏せ)
「確かにそうだね、だってさ。私がこのドローで勝利の一手を掴まないと………ドロー!」
『さあて、何を引いた?』
「貪欲な壺、発動するよ。墓地のマッド・デーモン、ジャイアント・オーク、龍骨鬼、スカル・コンダクター、カードカー・Dをデッキに戻して2枚ドロー…………そしてランサー・デーモンを召喚するよ」
『まーた壺か』
貪欲な壺
通常魔法(制限カード)
自分の墓地のモンスター5体を選択して発動できる。
選択したモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。
その後、デッキからカードを2枚ドローする。
ランサー・デーモン
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1600/守1400
相手フィールド上に守備表示で存在するモンスターを
攻撃対象とした自分のモンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
そのモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。
ランサー・デーモン 攻1600
「ならそ攻撃する前に、こちらのトラップを通してもらおう!ライフを半分払い異次元からの帰還だ、電池メン-単三型を二本、単一型を一本守備表示で特殊召喚する!ここでこのターンを耐えきって、次のドローで【エレキ】のモンスターを引くことさえできればダイレクトアタックで…………!!」
異次元からの帰還
通常罠(制限カード)
ライフポイントを半分払って発動できる。
ゲームから除外されている自分のモンスターを
可能な限り自分フィールド上に特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時にゲームから除外される。
電池メン-単三型×3 守3000
電池メン-単一型 守1900
三沢 LP500→250
「ならこっちはマジックカード、生者の書-禁断の呪術-を発動!あなたの業務用を除外、私のワイトキングを復活させるんだって」
「馬鹿な、俺の計算の上を行くというのか!?」
生者の書-禁断の呪術-
通常魔法
自分の墓地に存在するアンデット族モンスター1体を選択して特殊召喚し、
相手の墓地に存在するモンスター1体を選択してゲームから除外する。
ワイトキング 攻5000
「ワイトキングで単一型に攻撃、さらにランサー・デーモンの効果発動!ワイトキングに貫通能力を!後はお願い、トワイライトダンシング!」
「俺の負け、か………」
ワイトキング 攻5000→電池メン-単一型 守1900(破壊)
三沢 LP250→0
「おめでとう、夢想!それと残念だったね、三沢」
「残念?何を言ってるんだ。勝てなかったのは確かに悔しいが、これもお前のためじゃないか」
「え?どゆこと?」
『いや、え?って何言ってんだお前は』
「よろしくね、清明。明後日は一緒に勝とうね、だってさ」
「明後日…………っ!!」
『忘れてたのか。…………馬鹿』
「あ、ああ、うん、こっちこそよろしくね、夢想。そ、それじゃデッキ調整でもしようか!ね、ほらほら行こっ!」
「え、ええ」
「じゃあ俺はイエロー寮に帰るぞ。このデッキもまだまだ課題がある」
「うん、三沢もありがとー!」
「あー、なんか思い出したら色々吹っ切れたし、デュエルしたくなってきたな。早く帰ってこないかな~」
そうぼやきながら窓の外を見ると、いつの間にか夕方になっていた。もうそろそろ、皆が帰ってくるころだろうか。
一方そのころ、レッド寮へと向かう道では。十代、翔、三沢、隼人、俺のメンバーが先勝報告を一人寂しく寮の中にいるであろう清明にするため帰り道を歩いていた。
「いやー、何とか勝てたな、翔!」
「はい、よかったッス~!」
「おいおい、何も泣くことないじゃないかよ」
「だってアニキ、僕もう嬉しくて!」
正直、ここで聞くのも無粋だとは思う。でもやっぱり気になるし、もし俺の思っている通りの理由なら間違っても清明に聞かせるわけにはいかん、とすると今しかチャンスはない。
『…………水差して悪いが、ちょっといいか十代。昨日からずっと気になってることがあるんだが、俺の代わりに三沢に聞いてくれねえか?』
「ああ、いいぜ。なあ、三沢」
「ああ、どうした十代?」
『昨日のデュエルだが、最後のところで業務用の効果を使えばお前が勝ってたんじゃないのか?単三型と闇よりの罠を破壊して。お前に限って気づかないなんてことはないだろ』
「ホントだ………!三沢、どうしてお前、昨日のデュエルではわざと負けたんだ?」
「おいおい、一体何のことだ?俺がわざと負けるとでも?」
『三沢、教えてくれ』
「なあ三沢、教えてくれよ」
一度はとぼけた三沢もさすがに誤魔化しきれないことを悟ったのか、諦めたように口を開いた。
「おいおい、それを俺の口から言えと?恥ずかしいじゃないか」
「恥ずかしい?ああなるほど、そういうことっスね」
『やっぱり、な』
「え、どういうことだよ、わかんねえ!」
そう言って頭を抱える十代に、やれやれといった感じの三沢が説明をする。
「いいか、十代」
部屋の机にデッキのカード、全59枚を並べて特に何をするでもなくそれを見ていると、ドアがノックされる音がした。多分十代達が帰ってきたんだろう。
「おかえり、ドアは開いてるよー。どうだった?」
「じゃあお邪魔するよ、だってさ」
予想に反して返ってきた返事は、明日一緒にタッグを組むパートナーのもの。一瞬返事に詰まった間に部屋の中に上り込んできて、ナチュラルに僕のすぐ隣に座る。多分今、僕の顔はかなり赤いだろう。心臓もバクバクいってるし。え、何コレ。もしかして今あれですか、二人っきりってヤツですか!?
「じゃあ明日の作戦でもたてようか、なんだって」
「う、うん!明日もよろしく!」
「あの二人の邪魔をするなんて、無粋以外のなんでもないじゃないか。なあ?」
後書き
ということで、パートナーは夢想さん。今のところシナジー全くないんだよなぁ、この二人のデッキ。
ちなみに三沢のデッキは、見ての通りの【電池メン】。ちなみに理由は、なんとなく彼には科学的なイメージがあるからというだけ。タッグフォースで使ってるのはついさっき知ったばかり。ライボルやサンダー・ボトル、漏電なんかの多彩な電撃カードでフィールドをカラにしてから単三型のサンレンダァ!が基本。なお一族の結束が積んであるため、オネストは入ってない模様。
ページ上へ戻る