八条学園騒動記
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第六百四十九話 大団円となりその五
「果たして思考があるか」
「ないって言うの」
「そうかも知れません」
「自分で考えないと」
「植物でも思考します」
「ああ、感情あるのよね」
「そうです」
このことは科学的に証明されている。
「そうなのです、あらゆる生物がです」
「植物でもよね」
「感情があり」
そうしてというのだ。
「思考してです」
「主観があるのね」
「その主観がどうかがです」
「大事で」
「時としてです」
セーラはまたこう言った。
「大きな力になります」
「そうなのね」
「はい、それ自体は悪いものではないですが」
それでもというのだ。
「時として大きなものになり」
「大変なことも起こすのね」
「左様です」
「ブラウベルグみたいに」
「あの人もそうですし」
事実そうであるというのだ。
「そしてカルト教団もです」
「テロとかするのね」
「最終戦争等と言って」
そうしたおかしな主張を唱えてそのうえで破壊活動を行う宗教団体はこの時代でも存在している、信仰が狂気に走る場合が。
「テロを行うこともです」
「主観なのね」
「そうなのです」
「主観は怖いものでもあるのね」
「そうです、よくもなれば」
「悪くもなるのね」
「そうしたものです」
「成程ね」
「はい、ですが」
「ですが?」
「普通はです」
あくまでというのだ。
「暴走しなければです」
「いいのね」
「それで自分が保てて」
我思う故に我ありでというのだ。
「生物でいられるのですから」
「感情になるからなのね」
「若し感情がないなら」
生きているのにそれがなければというのだ。
「もうです」
「生きていないのね」
「それがロボットです」
感情がない存在こそがというのだ。
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