八条学園騒動記

「同じです」
「そうだな」
　マチアも言われてその通りだと頷いた。
「俺もそう言われるとな」
「その通りとですね」
「思う、俺は野菜も果物も好きだがな」
　それでもというのだ。
「やはりな」
「ステーキがお好きですね」
「特にビーフステーキがな」
　牛肉のそれがというのだ。
「大好きだ」
「左様ですね」
「それを食うなと言われるとな」
「お嫌ですね」
「誰が聞くか」　
　ポークカレーの豚肉を食べつつ話した、マチアは牛肉が好きだが豚肉も好きなのでカレーの中のそれにも満足していた。
　その満足を感じつつだ、彼はセーラに答えた。
「俺はあくまでだ」
「お肉を召し上がりますね」
「肉もだ」
　これもというのだ。
「身体の糧になるな」
「はい」
　セーラの返事は一言だった。
「まさに」
「そうだな、害にはならないな」
「食べ過ぎはよくないですが」
「それはどんな食べものもだな」
「充分は薬で過剰は毒です」
「何でもそうなるな」
「お肉も普通に食べていますと」
　それならというのだ。
「偏食でないならです」
「いいな」
「左様です」
「それならだ」
「このままですね」
「俺は肉を食う」
　マチアは強い声で言った。
「ビーフステーキをな」
「左様ですね」
「というか」
　ここでダイアナが気付いて言った。
「偏食ってむしろ」
「はい、ヴィーガンの方々がです」
　セーラもその通りだと答えた。
「むしろです」
「偏食よね」
「そうなります」
「どう考えても栄養バランス悪いわね」
「お野菜と果物それにお米や麦だけなら」
　それならばというのだ。
「やはりです」
「栄養バランス悪いわね」
「蛋白質やカルシウムが不足します」
「そうよね」
「ビタミンやミネラルを摂取しても」
　それでもというのだ。
「それだけではです」
「やっぱりね」
「これまでのお話通りです」
「カルシウムや蛋白質が不足してね」
「よくありません」
「どう考えてもそうよね、だからなのかしらね」
　ダイアナはセーラの話を受けて考えつつ述べた。