八条学園騒動記
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第六百四十七話 無欲な野心家その八
「必ずです」
「負けるんだ」
「そうなるとです」
「セーラは考えているんだ」
「確信しています」
そうだというのだ。
「まさに」
「そうなんだ」
「どれだけ強い軍隊でも」
それでもというのだ。
「軍事を知らない人が率いますと」
「負けるんだ」
「ましてやです」
セーラはさらに話した。
「徹底的に弱体化した軍なら」
「尚更なんだ」
「そうなります」
「そういえばな」
洪童が言ってきた。
「ヒトラーは軍を強くしたな」
「そうでしたね」
「かなりな」
「訓練を徹底させ」
セーラはヒトラーが行った軍の強化についても話した、彼はただ戦争を行う様な者ではなかったのだ。
「軍律を厳しくし」
「そちらもか」
「只でさえドイツ軍の軍律は厳しかったです」
「それをか」
「訓練もそうでしたが」
「その両方をか」
「さらに行い装備もです」
こちらもだったのだ。
「強くしました」
「それで軍を強くさせたか」
「ですが」
それでもと言うのだった。
「ジャバル副主席はそうしたことがです」
「わかっていないか」
「あの人は軍を掌握しますが」
それは行うがというのだ。
「強くではなく」
「弱体化か」
「非常にそうしますので」
それでというのだ。
「必ずです」
「負けるか」
「弱体化の極みにある軍と」
それに加えてというのだ。
「軍事を一切知らない最高司令官では」
「やっぱり負けるな」
「それは明らかですね」
「そうなるな」
「具体的にお話しますと」
セーラはさらに話した。
「シュミレーションゲームを全くしたことがない」
「軍事のそれね」
七美が応えた。
「戦争ものの」
「そして軍事の本もです」
こちらもというのだ。
「一切です」
「読んだことがないの」
「そうした人でして」
それでというのだ。
「本当に軍事はです」
「全く知らないの」
「そうなのです」
「じゃあ勝てないわね」
七美はここまで聞いて納得した。
「そんな人だと」
「左様ですね」
「どう考えてもね」
「あの人はそのことが問題なの」
「はい」
その通りだというのだ。
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