| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十話 性欲は誰にもその八

「いいけれどね」
「そうよね、法律に違反してないならね」
「別にね」
「悪くないわね、それに将来もね」
「法律で駄目とかね」
「しなくてもいいわね」
「これといってね。そういえばね」
 一華はふと思い出したことがありそれも言った。
「とりかえばや物語ってね」
「日本史の授業で出たわね」
 かな恵も応えた。
「男の子と女の子を取り換える」
「つまり男の娘ね」
「それよね」
「日本武尊もなってるしね」
 古事記や日本書紀での英雄である。
「そういえば」
「そうだったわね」
「もうね」
 それこそというのだ。
「日本じゃ女装もね」
「昔からあるわね」
「男の娘も」
「江戸時代もあったそうだし」
 何と浮世絵にもなっている程だ。
「織田信長さんも女装したことあるし」
「あの人結構色々やってるわね」
「本当にね」
「いや、男の娘って凄いわよ」
 富美子は真顔で言ってきた。
「下手な女の子よりもね」
「可愛いの?」
「滅茶苦茶ね」
 かな恵にも真顔で話した。
「可愛いのよ」
「そんなになの」
「もう見たら」
 それこそというのだ。
「一目惚れになる位にね」
「可愛くて」
「負ける位よ」
「本物の女の子が」
「本当に凄いから」
 男の娘の可愛さはというのだ。
「そういうの見たらね」
「同性愛もなのね」
「なるのもわかるかも。しかし日本ってね」
「同性愛に寛容よね」
「かなりね」
「だったら男の娘も」
 かな恵も言った。
「ありね」
「そうよね」
「そうしたお国柄よね」
「工業科の三年生でそうした人おられるし」
「台湾の人だったわね」
「黄さんだったわね」
「そうだったわね」
 その彼のことも話した。
「この学園には色々な人がいるけれど」
「台湾の人でそうした人もいて」
「それでね」
「男の娘もいるわね」
「それで罪に問われない」
「それもいいことよね」
「日本ならではね」
 あらためて日本の同性愛のそうした懐の深さも話した、そしてだった。
 そうした話をしてだ、かな恵はあらためて言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧