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レーヴァティン

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第二百三十六話 熊鍋その三

「その意味でもな」
「全てでありますな」
「味わう、そして無駄にはだ」
「しないでありますな」
「粗末にはしない」
 絶対にというのだ。
「食材もな」
「そしてお料理も」
「そうする、だが」
 ここで英雄はこうも言った。
「食えぬ部分はな」
「食べないでありますな」
「そうする、毒がある部分があれば」
 そうした部分はというと。
「食わない」
「そうするでありますな」
「河豚等のな」
「そういえばたい」
 香織は内臓、心臓の部分を食べつつ言った。
「熊の肝は種類によってはたい」
「毒があるか」
「そうたい、ビタミンAが多過ぎてとよ」
 その為にというのだ。
「生でも煮ても焼いてもたい」
「毒になるか」
「ビタミンAも多過ぎると」
 そうなればというのだ。
「毒になるとよ」
「過ぎればだな」
「ホッキョクグマがそうらしいたい」
 その為イヌイット達はホッキョクグマの肝臓は食べないという、ショック状態に陥り死に至る場合にもなるという。
「何でも」
「そうなのか」
「だから起きた世界ではたい」
「ホッキョクグマはか」
「肉は食ってもたい」
「肝臓はだな」
「何でも寄生虫もいて」
 その肉にはほぼ必ずいるという。
「肉も生では駄目らしいたいが」
「肝臓は絶対にか」
「食べては駄目らしいとよ」
「面白い話だな」
「そうたいな、まあ羆なら」
 同じ熊でもとだ、香織は話した。
「大丈夫たい」
「そうだな」
 英雄も頷いた。
「ホッキョクグマはまた別だ」
「同じ熊でも大きくてたい」
「しかも寒冷地に棲んでいる」
「蝦夷も寒かたいが」
「寒さが違う」
 それ自体がというのだ。
「常に氷河に覆われているからな」
「もう格が違うとよ」
 寒さのそれがというのだ。
「だからたい」
「同じ熊でもな」
「かなり違っていて」
 そしてというのだ。
「そのうえでとよ」
「食えるな」
「漢方薬にもするたい」
 羆の肝臓はというのだ。
「そうしてるたい」
「熊肝な」 
 耕平が言ってきた。
「まああれは胆たいが」
「それだな」
「それで肝もや」 
 これもというのだ。
「してるわ」
「食っても大丈夫だからだな」
「そやから食っても大丈夫や」
「むしろかなり精がつくな」
「そうなるわ、それで自分が食うたら」
 耕平は女好きというか絶倫で知られる英雄に笑って話した。 
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