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『言霊使いと幻想郷』

作者:零戦
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第四話






「ふんぬらばッ!!」

 俺は鍬で地面を掘り起こしている。まぁ畑を作っている最中やな。

 あれから紫さんの式である藍さん(巨乳だった。パイパイにゅーりん)から紫さんが外の世界からパクってきた土の袋(しかも三十個もあった。どんだけだよ……)を貰って土を掘り起こしてホームセンター(コー○ン、だったらコ○ナン)の土を入れて畑を作った。

 それから畑の関係で藍さんがよく来るのだが、「は、もうすぐ橙が帰ってくるッ!? それでは失礼します、ちえぇぇぇぇぇんッ!!」……なんだかなぁ。巨乳なのに……今度来たら油揚げでもあげるか。

 霊夢ちゃんもスコップを使って手伝ってくれている。ミミズが出てきたら悲鳴を上げていたが……。

 取りあえず、作った畑にミニトマトの種を植えた。普通のトマトは食えんのだよ。

 苦手なんだよトマト、ミニトマトはギリギリで食えるけど。

 次は大根でも植えてみるかな。

「誠兄、そろそろ昼ごはんだよ」

「お、そうか」

 霊夢ちゃんがそう言ってきた。そろそろ食べるか。腹減ったな……。

「今日の昼ごはんは何かな~っと」

「トマト♪」

「なん……だと……」




「そういや霊夢ちゃん。修行しなくていいのか?」

 昼ごはん(トマトじゃなくてよかった……ちなみに白飯と味噌汁に沢庵だった)を食べた後の御茶を飲みながら霊夢ちゃんに尋ねた。

「修行めんどくさい~」

 霊夢ちゃんはぷうっと頬を膨らませながらそう言った。

「いやそれは仕方ないだろ? 霊夢ちゃんは妖怪退治をしないといけないし」

「それはそうだけど……」

 めんどくさがるなよ……。

「ま、頑張って修行しろよ?」

「……うん」

 霊夢ちゃんは嫌そうだったけど、何とか納得した。その日は畑を耕していたりして一日が過ぎたけど、翌日に客が来た。

「……何か鴉が多い気がするなぁ」

 神社の上に多数の鴉が飛行していた。何だろうか?

「まぁいいや。取りあえず練習するか」

 俺は言霊の練習を始めた。鍛えておかないと、堕とされた力が暴走するかもしれないし念のためだな。




「……疲れた……」

 取りあえず、体力を付けるために階段の登り降りを五往復したが……いやマジでしんどい……。

「……最初は筋トレからしとけばよかったな……」

「そうですねぇ。基礎はしておいた方がいいですね」

「そうだようなぁ……ん?」

 俺は今、誰と話していた?

「私と話していましたよ」

「そうかそうか……で誰だあんた?」

「あややや、名前を言ってませんでしたね。私は清く正しい射命丸文です。どうぞお一つ」

「新聞……?」

 何て読むんだこれ?

「ふみひさまる新聞?」

「いやいや違いますよ。これは文々。新聞(ぶんぶんまる)というんですよ」

「……ややこしいな」

「いいじゃないですか」

 まぁいいんだけどな。

「それで射命丸は俺に何か用でもあるのか?」

「はい、外来人の取材をしようと思いまして」

「外来人……って事は俺の事か?」

「えぇそうです。外から来る人間は外来人と呼んでいます」

「あんまり取材してもらえる人間じゃないけどな」

「いえいえ、そんな事はありませんよ」

「まぁいいよ。簡単な事くらいなら」

「ありがとうございます。ではですね……」

 そして俺は射命丸の取材を受けた。

「なんと、外でも妖怪の町があるのですか?」

「正確には人間と妖怪が共存している町だな。この幻想郷は妖怪のためだろ? 桜新町は共存の町でもあるけど、元は妖怪の終焉の町だった」

「終焉の町……ですか?」

「あぁ、聞いた事あるかどうかは知らんけど桜新町は妖怪をあの世へ送る事が出来る比泉という人間がいる。桜新町にいる妖怪は元々は調律してもらうために集まってきたんだけど……」

「それがいつの間にか妖怪も人生を全うしてあの世へと?」

「まぁな。けど厄介なのは堕とされるだな」

 俺は右手を握る。

「堕とされる……ですか?」

「天災のようなもんだな。俺もその犠牲者の一人だ。『凍』」

 俺は射命丸に力を見せる。

「……成る程。外の世界も色々な妖怪やこういうのがあるんですね。妖怪は幻想郷にいる妖怪みたいなのがいると思ってましたけど……」

「そういう先入観があるからな。それは仕方ない事だな」

 俺はお茶を飲む。

「外に……桜新町に戻りたいという気は?」

「いや無いな。俺は今のところ、外の世界では故人となっているだろうな。それに父さんも母さんも堕とされた幼馴染みの犠牲になっている。もし俺が戻ったら幼馴染みの精神は壊れるかもしれんしな」

「……そうですか。分かりました、少しぼかして載せますのでそれでいいですか?」

「あぁいいよ」

「それでは、取材ありがとうございました」

「はや……」

 あっという間のスピードだな。

「誠兄、終わった? 終わったなら夕御飯の支度しよう」

「お、そんな時間か。今行くよ」

 俺と霊夢は台所へと向かった。後日、俺の取材が発行された文々。新聞は意外にも売れたらしい。

 まぁ珍しい半妖が来たからな。







 
 

 
後書き
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