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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結

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16-⑵

 私は、蒼の実家に来ていた。前の日に、お母さんにお茶を飲みにお邪魔しますと伝えておいたのだ。

「お母さん 私ね 蒼の会社のことに全然タッチしてなくて・・そんなで、良いんだろうかって思って」

「蒼に何か言われたの?」

「いいえ 逆にあんまり言ってくれなくて・・毎日、帰りが遅いせいもあるんですけど」

「そう 美鈴ちゃんには、お店のことがあるので、余計、言わないようにしてるんかもしれないね」

「だけど、私は、蒼に相談して頼ってしまう時もあるんですけど・・なんか、蒼を支えてないんじゃぁないかなって、考えてしまって 妻としての役割はたしてないですよね」

「蒼のこと愛してくれてるんでしょ」

「ええ とっても 甘えちゃうときもあるんですけど」

「それで、良いのよ 男の人って、仕事のことは、あんまりしゃべんないわよ 側に、愛してくれる人がいるだけで、一生懸命仕事するのよ 話たくなったら、向こうから話してくるわ 言わせるように仕向けちゃダメよ 言い出すようにするの 仕事の内容なんて、女にとっては何にもわかんないし、何にも出来ないわよ だけど、聞いてあげるだけで良いの!」

「そんなもんなんですか」

「そう 今の美鈴ちゃんのままで良いのよ お互い、愛し合っているんだから 行き詰ったら、蒼も頼って来るわよ その時は、聞いてあげて」

「はい ありがとうございます 安心した お母さん」

「ウン それはそうと、振袖の話 何か、考えているの?」

「ええ もし、良かったらなんですけど お店の女の子 今年二十歳なんです お父さん居なくて、調理学校を途中で辞めて、家族の為に働いているって子なんですけど・・私 成人式も出てなくて・・だから」

「そう わかったわ いつでも、言ってちょうだい 前もって、写真も撮った方が良いからね」

「ありがとうございます まだ、本人にも言って無いから、良いのか どうか」

「それより、あなた達 赤ちゃんのこと、考えているの 余計なお世話かもしれないけど、気になるのよー」

「まだー もう、少し、お店が落ち着いたらと思っています ごめんなさい」

「謝らなくても良いのよ 二人の問題だからね」

 そして、私は、家を出て来たけれど、そーいえば、数えてみると、あの日の予定日を過ぎているのに初めて気付いたのだ。 

 
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