八条学園騒動記
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第六百四十五話 牛達と共にその十三
「お酒は」
「ああして堕落で飲んでるんでなくて」
「命なのね」
「お酒がないと駄目」
「動けないのね」
「寒いから」
全ての理由はそこにあった。
「だからね」
「それでだね」
「朝からウォッカなのね」
「それで飲みながら働いていくから」
そうした生活習慣だからだというのだ。
「若しそれを飲むなって言ったら」
「お水飲むなっていうのと同じ?」
ペリーヌが聞いてきた。
「それって」
「まさにね」
その通りと言うのだった。
「もうそれで」
「やっぱりそうなの」
「だからソ連崩壊したしね」
「あのソ連が」
「そう、アフガンで失敗していたけれど」
攻め込んで国力を消耗していたのだ、これが歴史的に見てソ連崩壊の引き金になったと歴史にはある。
「それで支持失ったのよ」
「本当にそれだけで」
「基本ロシア人ってものなくてもね」
「我慢出来るの」
「今は千年位ものが満ち溢れてるからわからないけれど」
それでもというのだ。
「昔のロシアはね」
「ものがなくて?」
「そのせいでね」
「ものがなくてもなの」
「それが普通でね」
そうした感覚でというのだ。
「別にね」
「大丈夫だったのね」
「そうなの、けれどお酒がないと」
「アウトだったの」
「ええ、それでカレーはね」
この食べものはというと。
「ロシアではあっても」
「お酒と合わないから」
「あまり食べないかもね、他の国に比べたら」
「そうなのね」
「ええ、ただ今日私今は飲んでるから」
見ればいつもの調子の赤ら顔である。
「このままね」
「カレー食べるのね」
「そうするわ」
こう言ってだった。
アンネットもカレーを食べるのだった、そのカレーはかなり美味いものだった。
牛達と共に 完
2021・11・24
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