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レーヴァティン

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第二百三十五話 熊を仕留めその六

「魔神もな」
「倒せるっちゃ」
「そうなる、無論大きな力を備えるが」
「その力をっちゃな」
「正しく使い」
 そうしてというのだ。
「必ずな」
「魔神も倒すっちゃ」
「その様にする」
 必ずというのだ。
「俺はな」
「その意気っちゃ、ただ」
「それでもか」
「蝦夷に行った腕利き達は皆無事に帰ってきて欲しいっちゃな」
「そのことだな」
「うちはそのことを願うっちゃ」
「生きて帰られる者だけを選んで行かせたがな」
 しかしとだ、英雄は述べた。
「確実かというと」
「それはっちゃな」
「俺も信じているが」
 それでもというのだ。
「心配ではある」
「そうっちゃな」
「全員帰って来れば」
 それでというのだ。
「俺は宴を開く」
「その帰還をっちゃな」
「喜んでだ」
 そしてというのだ。
「そのうえでだ」
「羆が退治出来たことも」
 奈央が言ってきた。
「祝うわね」
「民の不安が除かれたこともな」
 このこともというのだ。
「そうする」
「そういうことね」
「その時をだ」
「お祝いするのね」
「そうしたい」
 是非にというのだ。
「これは俺達だけでなくだ」
「倒した強者にもよね」
「この任に出た全ての者だ」
 その者だけでなくというのだ。
「全ての者をだ」
「招いて」
「そしてだ」
「宴を開くのね」
「その羆を喰ってな」
 そうしてというのだ。
「鍋だな、それとだ」
「焼くのかしら」
「それもいい、鍋にしても焼くにしても味噌を使ってだ」
「匂いを消すのね」
「熊の肉は匂いがする」
 英雄はこのことを指摘した。
「猪もそうだが」
「熊もそうね」
「羆も然りだ、だからだ」
「お味噌を使って」
「そうして匂いを消してな」 
「味付けもするのね」
「しかも身体にもいい」
 味噌自体の話もした、この浮島においても起きた世界と同じ様に味噌は非常によく使う調味料の一つなのだ。
「だからな」
「お味噌も使って」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「より美味くしてな」
「食べるのね」
「隅から隅までな」
 羆のそれをというのだ。 
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