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レーヴァティン

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第二百三十五話 熊を仕留めその一

                第二百三十五話  熊を仕留め
 英雄は蝦夷に羆を退治する者達を送ってからその報を待ちつつ政を行っていった、その中でだった。
 彼は大坂城で仲間達にこう言った。
「熊も出来ればだ」
「その肉をじゃな」
「食うべきでだ」
 当季に応えた。
「そして食うとな」
「美味いのう」
「掌は有名だが」
 珍味としてだ。
「その肉もだ」
「いけるぜよ」
「そして出来ればな」
 さらに言った。
「内臓もだ」
「食うのう」
「生きものの内臓は食うべきだ」
「栄養の塊ぜよ」
「味もいいしな」
 それに加えてというのだ。
「滋養にもいい」
「だからじゃのう」
「俺は熊の内臓もだ」
 これもというのだ。
「食う、だから出来ればだ」
「羆が仕留められたらじゃな」
「その躯を移動の術で大坂まで運び」
 そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「食うのう」
「そうする、しかし羆は大きい」
 その大きさの話もした。
「その為俺一人ではとても食えん」
「だからか」
「お前達も食うか」
 羆の肉をというのだ。
「そうするか」
「おお、いいのう」
 羆を食うと聞いてだ、当季は笑って応えた。
「それならぜよ」
「食うな」
「そうするぜよ」
 こう英雄に答えた。
「十三人で、ぜよ」
「食おう」
「そう聞くと楽しみぜよ」
「全くであります、ただ」
 峰夫はこう言った。
「熊の肉はよく火を通すであります」
「虫が怖いな」
「特に内臓は」
 今話しているこの部分はというのだ。
「野生の獣は全てでありますが」
「だからだな」
「食するなら」
「わかっている、よく火を通してだ」
「食するでありますね」
「生で食うことはしない」
 獣の肉特に内臓はというのだ。
「それもな」
「それを聞いて安心したであります」
「獣を生で食うとだ」
 そうすればというのだ。
「特に内臓はな」
「危険であります」
「だから俺もだ」
「火を通すでありますな」
「焼くそして」
 それにというのだ。
「煮る」
「揚げるもであります」
「熊なら今話しているが一番いいのはな」
「煮ることでありますな」
「だから鍋にする」
 その様にするというのだ。 
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