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八条学園騒動記

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第六百四十五話 牛達と共にその十二

「結構出し抜かれたりとかね」
「そうなるからですか」
「だからね」
 それでというのだ。
「私達としては」
「その国民性がですか」
「結構仇になってるところもね」
 そうした一面もというのだ。
「あるのよね」
「そういえばロシア人っておっとりしてるよね」
「そうよね」 
 そのスターリングと蝉玉も話した。
「気が長くてね」
「暇があったらお酒飲んで」
「細かいところに全くこだわらなくて」
「結構以上に隙あるイメージよね」
「基本商売とか貿易とか疎いのよ」
 アンネットがまた言った。
「それでお酒には目がなくて」
「そうだよね」
「それがロシア人よね」
「それで欲もないから」
 それでというのだ。
「余計になのよね」
「そうだね」
「何についても」
「国としては貪欲と言われるけれど」
 それでもというのだ。
「市民一人一人はね」
「そうした風だね」
「本当に」
「ええ、だから今の暮らしなんて」
 この時代のそれはというと。
「楽園みたいよ」
「ではカレーを好きなだけ食べられることは」
「嬉しいわ、ただね」
 アンネットは笑顔でこうも言った。
「カレーってお酒には合わないわね」
「そうですね、どうしても」 
 セーラもそのことは認めた。
「カリーにしても」
「このことがね」
「残念ですか」
「ロシア人のエネルギーだから」
 酒はというのだ。
「お酒飲むなって言ったら怒るの」
「それだけはですね」
「基本忍耐力あるけれど」
「連合一ですね」
「大抵のことは我慢出来ても」
 それでもというのだ。
「お酒を飲むなって言われたら」
「その政権は倒れますね」
「ロマノフ朝もそれで倒れて」
 一次大戦の時にウォッカを制限しようとして臣民からの支持を失って倒れたという説がある位である。
「ソ連もね」
「最後の方にですね」
「お酒を飲むな働けと言って」
 ゴルバチョフが言ったことである。
「それでね」
「支持を失ったのでしたね」
「もうね」
 それこそというのだ。
「それだけでね」
「酒飲むなって言うのは普通だよね」
「そうよね」
 スターリングと蝉玉はここでこう話した。
「それってね」
「連合じゃね」
「エウロパじゃお偉いさん達の会議じゃワイン出るらしいけれど」
「お茶やコーヒーみたいにね」
「あっちの映画観ると普通に出て来るね」
「今の会議の映像でもね」
「ナチスものの映画だと」
 スターリングはさらに言った。
「ヒトラーの前にだけワインないんだよね」
「あの人紅茶なのよね」
「ヒトラーってお酒飲まなかったらしいから」
「煙草も吸わなくて」
 そして基本菜食主義者であった、女性にも清潔で税金は収めず個人財産はあったがそれは全て政治資金であったという。
「滅茶苦茶目立つのよね」
「そうだね」
「まあエウロパはね」
「堕落しているから」
「腐りきっていてね」
「普通に飲んでいるけれど」
「ロシア人は命よ」 
 アンネットは言い切った。 
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