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レーヴァティン

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第二百三十四話 手を出さないものその一

                第二百三十四話  手を出さないもの
 英雄は奥羽の各地を見つつそのうえでその地での戦の後始末とこれからの政の基盤を整えていった。その中で。
 彼はある寺を見てこう言った。
「こうした寺もだ」
「寺社奉行の政の中に入れるな」
「そうしていく」
 幸正に述べた。
「神社もな」
「そちらもだな」
「幕府の政に入れる、そして僧兵達はな」
 奥羽にいる彼等の話もした。
「全てだ」
「武器を取り上げてだな」
「仏門の修行と学問にだ」
 そういったものにというのだ。
「励んでもらう」
「そうするな」
「領地は認めるが」  
 それでもというのだ。
「それよりも檀家にな」
「比重を移していくな」
「そうする、領地は狭めていく」
 自社のそれはというのだ。
「あくまでだ」
「檀家に重点を置いてだな」
「その布施で生きていく様にな」
「していくな」
「そうして幕府の政に組み入れていく」 
 奥羽の寺社もというのだ。
「そうしていく」
「そうだな、そうしないとだ」
「寺社もだな」
「勝手なことをする」
「そして乱れるな」
「そうなるからだ」
 それ故にというのだ。
「寺社もな」
「奥羽のそれもだな」
「しかと治める、僧兵は多くはいらん」
 絶対にとだ、英雄は言い切った。
「僧侶は必要でもな」
「寺も自分達で身を守る様にはさせないな」
「その必要がない様にする、魔物に備えるならいいが」
「それ位の武は許すな」
「そうするが」
 それでもというのだ。
「他の勢力と争うまでの数はな」
「必要ないな」
「そうしていく、魔物や獣への備えは必要だ」
 それはというのだ。
「しかしだ」
「それでもだな」
「争うまではな」 
 そこまではというのだ。
「持たせない」
「そこは制限するな」
「武は幕府が合って卯的なものを持ってこそだ」
 そうであってこそというのだ。
「法それに和をだ」
「守れるな」
「武のない政なぞだ」 
 それはというのだ。
「絵に描いた餅だ」
「それに過ぎないな」
「どれだけ素晴らしい政策を掲げてもだ」
 そしてそれを実行に移そうとしてもというのだ。
「それを実行出来ない」
「力がないとな」
「さもないと誰も従わない、法もだ」
 これもというのだ。
「守られない」
「そして乱れもする」
「武は幕府が持ってこそだ」
 圧倒的なそれをというのだ。 
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