ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~
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第27話
前書き
超サイヤ人2は超サイヤ人の状態でそれを重ねがけすることで到達する変身なので、コツを掴んでいれば変身は難しい物ではないのだろうな…
組み手や基本的な修行を繰り返しながら瞑想をすること2ヶ月ほどで悟林は超サイヤ人を超えることかでき、悟林は早速残りの時間を修行に回そうと考えていた。
「おーい!悟林、飯にしようぜー!」
「はーい!」
空腹だったのもあり、すぐに超化を解いて早速父親と一緒に食事を摂る。
食事と言っても器に粉を盛って、飲み物は水だ。
粉に水を混ぜて練って食べる。
あまり美味くはないが、必要な栄養はある上に力が出るような感覚を覚える。
戦闘服は既に脱いで洗濯しており、悟空も悟林も下着姿だ。
気温がマイナスの時はともかく、気温が高い時は汗がとにかく出るのでこまめな洗濯や掃除をしている。
一応、後で悟飯と未来悟飯も使うわけだし。
「飯食ったら少し休んで修行再開すっぞ」
「うん」
2人は粉を黙々と食べながら時折水を飲んで流し込んで腹を膨らましていく。
この場所は気温の上下が物凄く辛いものがある上、建物から少し離れた場所では何がどうなっているのか、突然氷柱が乱立したりするかと思えば突然炎が燃え盛ったりと、一体どうなっているのか分からない事もある。
「ずーっと昔の神様も良くこんな修行場を考えたもんだよね」
神様だから10倍の重力に耐えられるのだろうか?
それにしても良くこんな場所を思い付いたものだ。
「そうだなー、でも今は滅茶苦茶助かってっぞ」
食休みを入れて再び修行を再開する2人だが、途中で悟空は座り込んで再び瞑想をし始めた。
きっと何か考えがあるのかもしれないと、悟林は少しでも戦闘力を高めようと1人で修行を繰り返すのであった。
しばらくして悟空は超化して超サイヤ人となり、そこから超サイヤ人を超えた姿となる。
「お父さん」
組み手をするのだろうかと思って歩み寄る。
「悟林、おめえは更にもう一段階の変身が出来ることに気付いてるか?」
「うん、筋肉達磨みたいな変身でしょ?」
超サイヤ人を超えた姿となると筋肉が膨張したので、次の変身もより筋肉が膨張するのだろうことくらいは察しがついた。
娘の言い方に悟空は微笑むと更に気を入れ、それを解き放つと先程よりも筋肉が膨張した姿となる。
「悟林、少しやるか?」
「良いけど…前の変身の方が絶対良いよ」
悟林は少し気を抜いて普通の超サイヤ人に戻ると悟空は嬉しそうに微笑むと拳を振るった。
悟林はそれをかわして少し後退すると、悟空の振るった拳の拳圧で床が吹き飛ぶ。
悟空は悟林を追い掛けるが、悟空の動きはどこか鈍い。
これなら普通の超サイヤ人の方がずっと速い。
それもそのはずであり、異常に膨れ上がった筋肉のせいで間接の可動域が制限されてしまい、スピードが激減してしまうのだ。
「お父さん、その変身は止めた方が良いよ。防御力が上がるから使い道がないわけじゃないけど、普通に闘う分には前の変身の方がずっと良いよ」
「だろうなあ、やっぱりおめえも気付いてたか。パワーや防御力は確かに凄え。だが、こんなに膨れ上がった筋肉ではスピードが殺されてしまう。最初なら通用するかもしれねえが、エネルギー消費も激しいから長期戦には向かねえ…それにさっきなった変身もエネルギーの消費も激しいからな…バランス的には普通の超サイヤ人が一番良い。そいつが良く分かった」
超化を解きながら言うと、悟林は修行はどうするのかと首を傾げる。
「…それでどうするの?」
「オラ達は別のやり方で強くなっぞ。まず寝る時以外はなるべく超サイヤ人でいてそれが当たり前の状態に持っていくんだ。前におめえがナメック星に行く時に言ってくれた界王拳を使いながらの修行を超サイヤ人でやるんだ。まずは超サイヤ人になったら落ち着かねえ気分をどうにかして、超サイヤ人が当たり前の状態になったら基本的な修行からやり直そう。遠回りのような気がするけど、それが一番だとオラは思う」
つまり、一番最初の超サイヤ人に慣れて精神安定とエネルギー効率の最適化、そして変身の負荷を利用していく修行なのだろう。
「うん……」
「どうした?」
娘の表情が浮かないことに気付いた悟空が首を傾げる。
「トランクスさん、この変身の欠点に気付いてるのかな?ベジータさんは気付いてそうだけど」
確かに2人の距離は部屋に入る前に比べて格段に距離は縮まっていたが、最大変身の欠点まで話し合っているのだろうか。
「分からねえな…でもベジータ達の今の実力なら大丈夫だろ、修行を再開すっぞ」
「うん」
2人は早速、超サイヤ人での状態で日常を過ごすことになる。
やはりと言うべきか超サイヤ人になると興奮状態となるため落ち着かない。
しかし、この姿で過ごしていると分かることがある。
どれだけ無駄にエネルギーを使っていたのかだ。
「(少しずつだけど、疲れなくなってきてるのが分かる。もし超サイヤ人の状態でも普段通りになれば冷静に闘えるもんね。やっぱりお父さんは凄いや…でもただこれだけじゃつまんないよな…あの変身も今となっちゃ欠陥変身だけど。超サイヤ人の強化版だってことには変わらない。あれは体中に気を入れて体を大きくすることでパワーアップする。もし超サイヤ人で平常心でいられる状態で超サイヤ人の要領で変身したら超サイヤ人の重ねがけが出来るんじゃ…まあ、もし無理だったら界王拳を改良していって超サイヤ人の状態でも使えるようにすればいい…お父さんだって界王拳使えるんだもん。改良のしようだってある!!)」
悟空は食事の用意をしながら1人で考えている悟林に微笑む。
その表情は子供の成長を喜ぶ父親の顔であった。
「悟林、飯にしようぜ」
「うん」
超サイヤ人の状態の影響で口数は少ないが、最初の頃と比べればずっと穏やかになった方である。
「お父さん、お父さんの考えは何となく分かったよ。お父さんは超サイヤ人の状態で普段通りのままでいる状態で超サイヤ人の変身をする…それがお父さんの理想の超サイヤ人を超えた姿なんだね」
「…正解だ。」
自分の考えの答えを出されたことに嬉しそうに笑う。
「よーし!だったら私が一番最初に変身してやる!」
早速粉に水を混ぜて練って食べ始める悟林。
悟空もまた同じように水を混ぜて練って食べ始めた。
そして1年までまだ少し猶予がある時、とうとう悟空が膝を着き始めた。
理由は悟林の成長速度だ。
悟飯にも部屋を出てきた未来のトランクスにも言えたが戦闘力の成長が伸び盛りであるにしても速すぎるのだ。
「凄いパワーがみなぎってくるよ…」
スパークが走る激しいオーラがすぐに緩やかに戻った。
修行の中で娘は掴んだのだろう、超サイヤ人を超えた変身を。
元々超化に関しては誰よりもコツを理解していた娘なので、超サイヤ人の状態での超サイヤ人の変身の重ねがけは容易だったのだろう。
混血の成長速度もあって、誰よりも早い変身を遂げたのだ。
「(何だろうなこの気持ちは…いつかはオラを超えるかなと思ってたけど、この歳で悟林がオラより強くなって…悔しい気持ちもあんのに、それ以上に凄え嬉しいや)」
これが子供の成長に喜ぶ親の気持ちと言うのかもしれない。
悟空が手招きすると悟林は不思議そうにしながら悟空に近付くと思いっきり髪を両手でグシャグシャにされた。
「わっ!?ちょっ!お父さん何するの!?」
「強くなったなー!悟林!!今のおめえなら絶対にセルに勝てっぞ!」
超サイヤ人を超えた超サイヤ人…長ったらしいので超サイヤ人2と言おうか。
未だに超サイヤ人2に変身出来るだけの基礎がない自分では逆立ちしても勝てっこない。
界王拳と超サイヤ人を併用すれば一時的には対抗出来るだろうが、危険性も高い上にもし成功したとしても体力が保たないだろう。
「ありがと、お父さん。でも私が強くなるのは当然だよ。お父さんの子供なんだから」
笑う悟林に対して悟空もまた笑顔を返した。
「はは、よーし!少し休んだらもう1回組み手だ!」
「うん!負けないよお父さん!」
この修行で特筆すべきは悟空の頑張りだろう。
悟林は修行でどんどんパワーを上げていき、悟空も何とか悟林のパワーに対して足りない戦闘力を技術でカバーしながら食らいついていくのであった。
「喰らえ!魔閃かめはめ…」
「っ!!」
魔閃光の構えを取ろうとした瞬間、悟空は瞬間移動で背後に回ると回し蹴りを入れて中断させる。
「痛てて…」
必殺技を妨害されただけではなく技の合体に意識を割いていたこともあって予想よりも大きなダメージを受けていた。
「悟林、その技はあまり使わねえ方がいい。確かに威力は凄えけどよ。技を出すのに2つの技を使わねえといけねえから隙だらけになる。気の消耗も激しいし、いくら威力があっても当たらねえなら意味ねえだろ?」
「うぐぐぐ…せっかく考えたのにぃ…っ!!」
ナメック星に行く時の修行では魔閃かめはめ波を褒めてもらえたが、予備動作の長さと悟空の戦闘力の向上と瞬間移動によって妨害されやすくなってしまったために戦闘のレベルも上がってきたこともあって欠陥技の烙印を押されてしまった。
取り敢えず悟林は魔閃かめはめ波の代わりとなる攻撃を考えることになるのであった。
激しい修行の末に親子の戦闘力は凄まじく伸びたものの、悟空はしばらく激しい修行はしたくないと思ったのであった。
悟空の部屋を出る宣言を聞いて悟林も充分すぎるくらいの修行をしたつもりなので、大人しく部屋を出た。
扉を開けると、体にかかっていた10倍重力の負荷が一瞬にしてなくなり、自分は今まで確かに負担のある場所にいたのだと感じた。
大きく息を吸って吐くと、空気が冷えている気がするのは精神と時の部屋内部の空気が高熱で蒸していたからだろう。
中にいる時は慣れていたのもあってそれほど気にならなかったが、こうして表に出てみるとよく分かる。
そして感じられる強大な気はセルで間違いないだろうが……外では丸1日経っていないはずなのに、部屋に入る前とは随分と気の大きさが違う。
「お父さん、これってセルの気かな?」
「多分な、ベジータやトランクスの気も感じるし…どうなってんだ?」
あれだけ意気込んでいたのにセルが生きていることや、ベジータやトランクスの気が健在であることに2人が不思議そうにしながら神殿を出たのであった。
神殿を出ると、ベジータ達の視線が悟空と悟林の2人に向けられた。
「あ、やっぱりベジータさん達いるよ。」
「そうだな、どうなってんだ?一体…」
超化した状態で出てきた2人に誰もが驚く。
「(あ…あれが悟林か…!見違えた…)」
特に悟林の変化は実力的にも外見的にも顕著であり、背も伸びていた。
「何があったのか教えてくれ」
「じ…実は…」
一番近くにいたトランクスに聞くと、つまりセルは既に完全体になっており、物凄い強さでパワーアップしたベジータとトランクスをものともしなかった。
完全体になるのにベジータが一役買ってしまったようである。
まあ、これはサイヤ人の基本思考もあるだろうが、彼の場合は純粋にプライドが絡んでいるし、強い相手と闘いたい欲求は理解出来るのでまあいいとして。
そしてそのセルは、勝手に天下一武道会に似せたゲーム、“セルゲーム”とやらを開催すると、わざわざそれをテレビ放送し、それが9日後に迫っているという。
「(…何だ!?あいつら…あれは超サイヤ人か…!?いや…雰囲気が少し違う…ごく自然にあの状態でいやがる…)」
ベジータはまるで普段と変わらないような状態の2人に驚いていた。
「いやー、大変だったねトランクスさん。でもセルゲームか…面白くなってきた!完全体のセルってどこまで強いのか楽しみだよ」
「確かにな、武道大会か…面白えこと考えやがったな…」
「お、お前ら正気か…?」
2人の発言にピッコロがぴくりと耳を動かす。
闘う力のない者からしてみれば、セルゲームという名の武道大会など命を縮めるものでしかないだろうが。
「ミスター・ポポ、オラの道着捨ててねえか?」
「あ、ああ、捨ててない」
「それ着なくても母さんに言えば新しいのをくれますよ」
悟空が着慣れた道着を着るとトランクスが戦闘服の新品はブルマに頼めば新しいのをくれるとのことだが、悟空は断った。
「いいや、オラはやっぱこれでいい。地球人として闘いてえし」
「ピッコロさん、私も新しい道着が欲しい。手袋と靴はこのままでお願い」
「お安いご用だ」
ピッコロが悟林に手を翳すと戦闘服が悟空の道着と同じになり、手袋と靴も新品に変化した。
どうやら手袋と靴を少し弄ったのかサイズが合っている。
「ありがとうピッコロさん!」
「…で、どうなんだ。セルを倒す自信があるのか?」
着替え終わった悟空にベジータが尋ねる。
「分からねえさ、完全体って奴になったあいつには会ってねえからよ。これからちょっと見てくっから、ん…と…」
すぐに悟空はセルのいる場所に瞬間移動する。
しばらく悟林達が雑談をしていると悟空が戻ってきた。
「どうだったお父さん?完全体のセルは?」
「…正直あそこまで凄くなっているとは思わなかった…その気になったらどこまで強くなるのかちょっと見当がつかねえ…やってみなきゃ分かんねえが、まあこのままじゃオラは多分勝てねえだろうな」
「……」
「そ…そんな…そうですか…」
悟空の返答にトランクスは少しばかり乾いた声を出す。
「もう一度精神と時の部屋を使うがいい。時間はあるんだ。今順番を決めた。悟飯と未来の悟飯の後に俺が入り、次はベジータが1人で入るらしい。次はトランクス…それからまたお前達が入れ」
「すまん…俺はパスさせてもらった…とても闘える相手じゃない…」
天津飯はパスをするらしい、修行の成果とも言える気功砲の連射も完全体になる前のセルに足止めにしかならなかったのだ。
それ以上となると、天津飯がパスしたくなる気持ちも分からなくはない。
「いや、オラと悟林はもういい。外界で修行する。9日間もありゃ何とかなるさ」
「私とお父さんは残りの時間をゆっくりペースでやるよ」
2人のその言葉に誰もが驚く。
「な…何…!?もういいだと!?お前達、精神と時の部屋にはもう入らないと言うことか!?」
「ああ、そうだ」
「何故だ…まだ丸1日は充分に入っていられるのに」
ピッコロの言う通りなのだが、セルゲームまで外界で修行するという2人の考えは変わらなさそうだ。
「私もお父さんも精神と時の部屋でギリギリまで修行してきたつもりだよ」
「これ以上部屋に入っていても劇的に強くなれるわけじゃねえしな。体にもきついし、充分に体を休めて万全な状態で挑むつもりだ。オラも悟林もな」
「そういうこと」
「やれやれ…流石のカカロットさんとその娘さんも、部屋の過酷さにとうとう音を上げたか…」
嫌味たらしく言うベジータに悟空と悟林は互いを見合わせて小さく笑った。
「かもな……だがこれ以上、体を無理に鍛えてもただ辛いだけだ。そんなのは修行じゃねえ。でもおめえ達がまたあの部屋に入るのに、文句を言ってるわけじゃねえ。まだ鍛える余地は残ってるみてえだし」
その言葉に癪に障ったのか、ベジータの声に険が混じった。
「何だと…?気に入らんな……今の言い方だと、貴様の方が俺より実力が上だと言っているように聞こえる…」
「ああ、オラも悟林も随分上を行ったと思う」
「何…!?」
「じゃ、お互い頑張ろうな!武道大会でまた会おう!行くぞ悟林!」
「うん!みんな、またね!」
天界を後にすると悟空が悟林に振り向く。
「ちょっと寄り道してくぞ」
「分かった」
勢いを止めて2人はカリン塔の頂上に着地する。
「こんちは、カリン様!」
「久しぶりカリン様!病院以来だね!」
「うむ、大きゅうなったな」
カリンの隣にはヤジロベーがおり、無事にカリン塔に戻れたようだ。
まあ、ヤジロベーの場合は下手なところよりここの方が安全かもしれないと思っているのかもしれないが。
「久しぶり、ヤジロベーさん。怪我は?」
「仙豆で治した…何しに来たんだおめえら…俺はあんな大会になんて出ねえからな…!」
「大丈夫だよ。用があるのはカリン様にだから…カリン様、下界の方はどうなってるの?」
ピッコロと神が合体したので、今や下界を広く見渡しているのは今のところカリンだけだ。
「……うむ。大騒ぎになっとるが、今のところセルは動いておらんからのう」
「つまり今のところは無事なんだね」
「セルは凄い奴だ。完全体になって更に完璧になっちまった。」
呟くように悟空が言うとカリンは不思議そうに悟空を見上げた。
「そう言うわりにはやけに落ち着いておるのう…何じゃ、精神と時の部屋で素晴らしい大発見でもしたのか?」
「でへへ~。まあな!カリン様、こっから見ててセルの強さは大体分かるだろ?」
「う、うむ…真の力を見せておらんので何とも言えんが、大体の予想は付く…」
「ちょっと比べてみてくれ。オラ、これから気を入れてみるから」
悟空は足を肩幅に開いて一気に気を入れると爆風のように気が発せられ、塔全体が振動した。
「!!」
「ういっ!!」
「も、もう止せっ、こっ、ここが壊れるっ!!」
「ひいい!!」
カリンが叫ぶと気の暴風が収まり、息を吐いて悟空はカリンに向き直った。
「今ので大体半分ぐらいだ。どう思う?」
「は…半分じゃと…!?な…何とまあ、恐ろしい奴じゃ…お、お前は、どこまで強くなりゃ気が済むんじゃ…!」
「セルと比べてどうかな」
悟空の問いにカリンは困ったような表情になる。
「う~む……厄介なことを聞くのう…さっきも言ったように推測でしか答えられんが…はっきり言って…それでもセルの方が僅かに上だと思う」
「と…とんでもねえ野郎だな。そ、そのセルってのは…」
ヤジロベーが、悟空の気の風圧で転がったために付いた服の汚れを叩き落としながら言う。
「やっぱそうか!オラの予想は間違ってなかった。サンキュー、カリン様!」
「へ?」
唖然となるカリンに構わずに悟空は悟林の背に触れる。
「さて、悟林。行こうぜ」
「うん、カリン様。またね」
悟空の瞬間移動でカメハウスに移動する。
「母さんを連れて家に帰ろう。あそこの方がのんびり落ち着く。セルゲームまでは3日休んで3日特訓。そんでもってまた3日休むぞ。無理して体を壊しちゃ意味ねえかんな」
「はーい」
カメハウスに入って中に入ると悟林を見たチチが驚愕の後に膝を着いて悲痛な声を上げた。
「ふ、服が…今までの服が入らなくなっちまっただ…!」
「あ、ああー」
「ピッコロに頼んで出してもらうか…?」
「そ、そうだね。それとお母さん、悟飯も結構大きくなって帰ってくると思うよ」
「何だってー!?」
成長期の子供が精神と時の部屋に入った時の意外な弊害が発覚した瞬間であった。
一方、精神と時の部屋に入った悟飯と未来悟飯はかなり順調に修行をこなしていた。
いくら未来とは言え自分自身であるために考えがある程度理解出来る上に自分の動きの悪い部分を客観的に知ることが出来る。
自分自身であるにしても未来悟飯は悟飯よりも長く闘い続けていたために、戦闘センスを含めて今の悟飯の遥か上を行っていた。
力押しでは絶対に勝てないために悟飯は少しずつ未来の自分の技術を吸収していった。
「よし、過去の俺。今日はここまでにしよう」
「は、はい!」
未来悟飯の言葉に悟飯は慌てて戦闘体勢を解いて休むことにした。
今の2人は超サイヤ人状態で過ごしていた。
父の編み出した修行法の戦闘力上昇率に思わず未来悟飯は舌を巻いた。
「やっぱり父さんは凄いな…」
ベジータも悟林も思い付かなかった修行法。
変身による負担を利用するなど考えもしなかった。
「あ、あの…お父さん達…セルに勝てるんでしょうか?」
食事である粉を器に盛りながら不安を未来悟飯に尋ねる悟飯。
「…分からない。でも父さんは無策で闘うような人じゃない。勿論姉さんもね、俺達に出来ることは、最終手段の総力戦で父さんと姉さんの足を引っ張らない程度には強くなるんだ。取り敢えず父さん達と同じように1年修行したら父さん達と合流しよう。入ってみて分かったけど、この部屋は体だけじゃなくて精神的にも相当にきつい。これ以上劇的に強くなれそうになかったら体を休めてベストの状態でセルに挑もう。無理をして体を壊してセルと闘えないなんて笑えない」
「わ、分かりました」
悟飯と未来悟飯は共に修行し、まるで兄弟が出来たような不思議な気持ちを抱きながら修行をするのであった。
後書き
未来悟飯はゲームでは多少救済されてますが、肝心のドラゴンボール超が…ついでにオリジナル技は封印しました。
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