世界への想い
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第二章
「まさに」
「それなら尚更だ」
神々の中でもというのだ。
「この世界に愛情があり」
「そうしてですか」
「治めているのだ」
「そうなのですね」
「休むことなぞ出来ない」
到底、そうした言葉だった。
「私はな」
「それならばですね」
「これからもな」
「働かれますか」
「休まずな」
そのうえでというのだ。
「そうしていく」
「そうなのですね」
「自分が生み出したものに愛情がないなぞだ」
それこそという言葉だった。
「有り得るか」
「まともな心を持っていてですね」
「そうだ、如何なるものでもだ」
「神でなくともですか」
「人でも他の生きものでもな」
心があればというのだ。
「まともな心があればな」
「自分が生み出したものに愛情がある」
「自分の子供ならな、自分の子供と言ったものに対して愛情がないならだ」
マルドゥクは厳しい声で言った。
「それはもうまともな心がない」
「そう言えるのですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「私はそう思う」
「そして神々ならば」
「尚更だ、少なくとも今神界にいる神々はな」
「全てですか」
「その心がある」
そうだというのだ。
「だからな」
「それで、ですか」
「私はだ」
「ご自身が創られた世界を愛されて」
「働いているhのだ」
「それも休まれることなく」
「そうしているのだ」
こう従者に話した。
「そうせずにいられない」
「愛情があるからこそ」
「そういうことだ、ではな」
「これからもですか」
「働いていく」
休むことなくというのだ。
「神としてな」
「そうされますか」
「そうだ、では今日も働こう」
マルドゥクは今度は笑顔で述べた。
「そうするとしよう」
「わかりました、ではです」
従者は主の言葉を受けその心を理解してだった。
「これよりです」
「どうしたのだ」
「神酒と神の果実をです」
この二つをというのだ。
「持ってきます」
「差し入れか」
「はい、世界の為に心を砕いて働いておられるので」
それでというのだ。
「是非です」
「私にか」
「英気を養って頂きたいので」
そう思ってというのだ。
「ですから」
「それでか」
「持ってきたいのですが」
「わかった、そなたの心を汲もう」
マルドゥクは従者にこう返した。
「そしてだ」
「飲まれてですね」
「食べよう、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「またな」
「働かれますか」
「世界の為にな、この世界は何としてもな」
マルドゥクは強い声で述べた。
「護り栄えさせる」
「そうされますか」
「これからもな」
「それでは」
こう話してそうしてだった。
従者はその酒と果実を持って来た、マルドゥクは早速席に着きどちらも口にした。そうして言った。
「さて、それではだ」
「再びですね」
「働く、今度は会議だ」
「会議ですか」
「神々のな、それをしてだ」
そしてというのだ。
「世界を治めていくことをな」
「定められますか」
「そうしよう」
「わかりました」
「神は休むことはしない」
マルドゥクは毅然として言った。
「この世界の全てを想うが故にな」
「休まれずそうしてですね」
「働く、ではな」
「これからも」
「そうしていこう」
こう言ってであった。
飲み食べ終えたマルドゥクは席を立ち神々の会議に赴いた、そうして世界の為に働くのだった。自分が創り出したものを愛しているが故に。
世界への想い 完
2021・8・13
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