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八条学園騒動記

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第六百四十四話 まずいものその二

「これもだ」
「イギリスに焼き鳥があるのか」
「昔はあったらしい」
「昔か」
「ブラウベルグが出るまでのことだ」
 エウロパの国父と言われる彼がだ。
「あいつが出たらエウロパは地球から出たからな」
「そうだったな、大陸ごとな」 
 ヨーロッパ大陸全体で出たのだ、大陸自体を宇宙船として今の領土まで進みそうして新天地に入ったのである。
「あいつ等は」
「それまでの間か」
「連合との関係が悪化するにつれ連合の文化を排除していき」
 そうしてというのだ。
「そしてだ」
「焼き鳥もなくなったか」
「千年以上前のことだ」
「それまでは焼き鳥も食ってたか」
「あの国でもな」
 イギリスでもというのだ。
「そうだったがタレの味も酷くてだ」
「焼き加減もか」
「酷くて炭火で焼くこともな」
「なかったか」
「炙って終わりだったらしい」
「焼き鳥は違うだろ」
「ガスでもな」
 こちらで焼いてもというのだ。
「やはり違う」
「そうだな」
「しかしあいつ等はな」
「炙るだけか」
「しかも焦げるまでだ」
「焦がしては駄目だろ」
 フランツは即座に突っ込みを入れた。
「焼き鳥は」
「普通はそう思うがな」
「それがか」
「そんなことはしなくてな」
「炙るだけか」
「そして味はな」
 それはというと。
「実に酷かったらしい、寿司もな」
「そちらもか」
「お握りか何かケーキの出来損ないみたいな」
「ケーキか」
「そうだ、ケーキだ」
 それだというのだ。
「それの出来損ないみたいなのをだ」
「寿司と言っていたか」
「そして何故か枝豆が一緒だった」
「枝豆もか」
「そうだったらしい」
「寿司に枝豆か」
 これにはフランツも首を傾げさせた。
「どうもな」
「意味がわからないな」
「同じ日本の食いものだからか」
「そうかも知れない」
 タムタムも寿司と枝豆の組み合わせが理解出来なかった、頭の中でこの二つがどうにも結びつかなかったのだ。
「寿司は寿司屋だな」
「枝豆は居酒屋だ」
「出る店は基本違うが」
「それでもか」
「あの国ではな」
「そうだったのか」
「和食もそうだった」
 連合から見て酷いものだったというのだ。 
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