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レーヴァティン

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第二百三十三話 後始末を進めその四

「やはりであります」
「分かれるな」
「そうなるであります」
「今中国の話をしたが」
 英雄は峰夫に応えて述べた。
「何度も分裂しているな」
「今お話した通りに」
「しかし大運河が出来るとな」
「その分裂もであります」
「比較的短くなった」
「それはそうでありますな」
「三国時代は黄巾の乱からか」
 三国志演義の物語はそこからはじまる。
「数年後から群雄割拠になりだ」
「百年近く続いたであります」
「そして五胡十六国から南北朝が三百年以上だ」
 この間実に多くの国が興亡を繰り返した。
「だが大運河が出来るとな」
「築いた隋は滅んだでありますが」
 これは煬帝の無理な政によるものだ、大運河の建設もかなりの国力を使ったがそこに万里の長城の修復に高句麗遠征を繰り返した結果国力を消耗し国が乱れ煬帝はその鎮圧を放棄してしまったからである。
「すぐに統一されたであります」
「唐にな」
「そして唐が滅んでも」 
 五代十国時代になったがだ。
「六十年程で」
「宋が統一したな」
「後はその宋と金が対峙しても」
「それも百年も続かなかった」
「後の元が滅んだ時も明末の混乱も」
「そして清が滅んでもな」
「戦乱は激しくとも」
 それでもだったのだ。
「三国時代や五胡十六国時代とは違うであります」
「長く続かなかったな」
「大運河で流通が活性化し」
「二つの大河がつながったしな」
「南北の距離も狭まったでござる」
 大運河の水運を使うことによってだ。
「だからでござる」
「分裂の期間が短くなった」
「そうもなったでござる」
「そうしたつなぐものもだな」
「必要でござる」
 国家の統合にはというのだ。
「やはり」
「そういうことだな」
「そしてこの浮島では」
「陸の道にだな」
 英雄はまずはこれを挙げた。
「そして湖のな」
「路でありますな」
「そうなるな」
「道でつなげば」 
 浮島の東西をというのだ。
「そうすればでござる」
「統一してからも分かれない」
「そうなるでござる」
「この浮島は川は多い」
 それ自体はとだ、英雄は述べた。
「しかしな」
「大河はありません」
 良太が述べた。
「その国を支える様な」
「湖に囲まれていてな」
「陸地は全て湖に囲まれています」
「西の浮島と違ってな」
「それで、ですね」
「大運河の様なものはな」
 どうしてもというのだ。 
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