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レーヴァティン

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第二百三十三話 後始末を進めその一

               第二百三十三話  後始末を進め
 英雄は仲間達と共に奥羽の戦の後始末を進めていった、彼は会津若松城においてそれを進めていたが。
 ただそれだけでなくだ、仲間達にこう言った。
「ここにばかりいてもだ」
「はい、やはりです」
 紅葉が応えた。
「現場をご覧になられることです」
「そうだな」
「戦の時は私達に任せて下さいましたし」
「果たしてくれたな」
「はい、ですが」
 それでもとだ、紅葉は英雄に答えた。
「これからは」
「俺自身の目で見てだな」
「ことを進められる方がいいです」
「戦よりも政の方が大事だ」
 英雄は強い声で応えた。
「そうだな」
「はい、政もそうされるならです」
 仲間達に任せるならというのだ。
「果たしてみせますが」
「いや、流石に政はな」
 それはというのだ。
「そうもいくまい」
「その目で直接ご覧になられて」
「ことを進めたい」
「左様ですね」
「戦はその時だけのこと、だが政はな」
 それはというと。
「後々までのことでだ」
「残りますね」
「そうなるものだからな」
 それ故にというのだ。
「ここはな」
「直接ご覧になられてですね」
「ことを進める、大山益次郎は見ずに戦えた」
 幕末の長州藩の軍師であった彼はというのだ。
「だがな」
「それを政で出来たか」
「無理だろう、蕭何も戦を支えることは出来たが」
「政はですね」
「法とその地を知ってた」
 治めるべきその地をだ、この場合は関中と漢中になる。即ち劉邦が領地にしていた場所が彼の治める地であった。
「だからこそだ」
「治められましたね」
「だからな」
「それで、ですね」
「俺も奥羽の地を知る必要がある」
「戦の後始末を行い」
「幕府の政の土台を築く為にな」
「わし等は見て来たぜよ」 
 当季は軍勢を率いていた時のことから笑って答えた。
「しかしぜよ」
「俺は違うからな」
「見て来るといいぜよ」
「そういうことだな」
「どっちにしても空船ですぐに行けるぜよ」
「その通りだ、だからな」
 英雄も答えた。
「見て来る、また移動の術もな」
 この術もというのだ。
「使ってな」
「見て来るのう」
「そうしていく、そしてだ」
「奥羽の地面を治めるぜよ」
「それが一段落つくまではな」
 その時まではというのだ。
「奥羽にいる」
「そうするのう」
「暫くはな、それが終わってな」
 そうしてというのだ。
「大坂に戻る」
「ならぜよ」
「お前達もだな」
「そうするぜよ、ただ大坂の留守番はぜよ」
「戦が終わったからな」
「置いた方がいいぜよ」
 英雄にこのことも話した。 
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