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イベリス

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第三十四話 中間テストの結果その十二

「小山さんの学業は」
「このまま勉強していくと」
「思う通りになります」
「そうですか」
「ですから」
 それでというのだ。
「努力されて下さい、若しです」
「努力しないと」
「この教皇もです」
 占いの結果もというのだ。
「変わります、運命は変わるものです」
「自分次第で、ですね」
「そうです、どうにでもです」
「変わるんですね」
「それが運命であり人生です」
「そういえばコンビニでも」
 咲は速水とはじめて会った道玄坂のあのコンビニの前でのことを思い出した、そのうえで速水にあらためて言った。
「あの時若しも」
「入っていますとです」
「麻薬の密売人に目を付けられて」
「中毒患者になり」
 麻薬のというのだ。
「人生を踏み外していたかも知れません」
「そうだったんですね」
「あの時私のお話を聞いてくれたので」
「だからですか」
「小山さんは今ここにおられます」
「人生の分かれ目ですね」
「そうだったかも知れません、占いの結果が悪くても努力すればです」
 そうすればというのだ。
「よくなり」
「いい結果でも努力しないと」
「同じです」
「悪くなりますね」
「占いは道標ですから」
「絶対じゃないんですね」
「ですから運命もです」
 これもというのだ。
「変わります」
「自分次第で、ですね」
「そのことは覚えておいて下さい、では今日も」
「はい、お仕事ですね」
「頑張って下さい」
「わかりました」
 咲は速水の言葉に頷いた、そうしてだった。
 この日もアルバイトにも励んだ、そして中間テストのいい結果を受けても彼女は慢心せず頑張ろうと決意するのだった。


第三十四話   完


                 2021・10・8 
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